家庭
2009年1月26日

戦国武将ブーム

女性がはまるわけは?

史跡巡り、グッズ人気上昇/「男らしさ」に魅了も


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NHK大河ドラマ「天地人」で、戦国の世に「愛と義」を貫いた直江兼続役を好演する妻夫木聡さん(左)

 綾 親方さまー、ついにやりましたー。


  なぜそんな奇声を上げているんだい。


 綾 ゲームをしているのよ。武田信玄の家臣、真田幸村が敵を打ち負かしたところなの。


  おいおい、信玄の家臣は幸村の祖父・幸隆だろう。


 綾 これはね「戦国BASARA」という戦国時代を舞台にしたゲームで、織田信長や上杉謙信、伊達政宗といった有名な武将になって戦場で戦うのよ。史実や時代考証にはお構いなしに自分が好きな人物設定をするの。登場する武将たちがみんなかっこいいんだ。私は謙信がお気に入りなんだけどね。


  いつから戦国時代モノに夢中になったの。


 綾 お父さんは以前から、「日本の歴史や伝統を大切にしないといけない」と言っているけれど、何かピンとこなかったんだ。でも、一昨年のNHK大河ドラマ「風林火山」でミュージシャンのGacktが演じた謙信がすごくすてきだった。それが戦国武将に興味を持つようになった始まりかな。


  そういえば、今、女性の間でちょっとした戦国武将ブームが起きているようだね。戦国時代好きといえば、年配の男性というイメージがあるんだけれど。


 綾 きっとゲームがブームの火付け役ね。友達の中にも戦国武将モノにはまっちゃった子が何人もいるわ。


  織田信長のような全国区の武将に限らず、四国・土佐の長宗我部元親といったローカルな武将のファンも増えているらしい。全国各地からわざわざゆかりの地を訪問する女性も多い。

 長宗我部元親が出陣の際に戦勝祈願したとされる高知市の若宮八幡宮にも、ここ一、二年で女性の参拝客が増えているそうだ。境内には元親の銅像があり、若い女性客は「かっこいい」と、記念撮影するんだとか。神社周辺にも史跡が点在していて、一帯が人気スポットになっている。その人気にあやかって、ミニチュアの旗指物や絵馬を製作したところこれまた大受け。中には元親好きが高じて、関係する歴史書を読みあさる人もいて、質問を受けた宮司さんの方がその知識の深さに舌を巻くケースもあるという。


 綾 戦国武将ブームは全国に広がっているようね。


  戦国グッズ店も各地にできている。東京・新宿の専門店では大半が女性客。「独眼竜伊達政宗」「越後の飛龍・上杉謙信」といった武将をモチーフにしたTシャツやキャップ、携帯電話ケースが人気で、三万円以上もする「真田幸村・六文銭」の家紋が入ったアクセサリーなど高額商品も売れているそうだ。

 ちなみに、昨年は、話題となった「篤姫」にちなんだ島津モノも受けたとか。東京・渋谷の東急ハンズでは、空前の篤姫人気を受けて坂本竜馬や西郷隆盛、勝海舟など幕末関連のカレンダーがよく売れたようだよ。


 綾 最近、京都市内にも戦国時代グッズ専門店がオープンしたらしいから、修学旅行の時にのぞいてみようかな。


  そのほかにも鎧兜などを配置して戦国時代の空間を演出した飲食店、家紋入り和菓子を売り出した和菓子店にも人気が集まっている。例を挙げたらキリがないほどだ。

 戦国大名の居城や伊達政宗の甲冑を展示している仙台博物館、それに、真田一族を模した武者行列が行われる「上田真田まつり」といったイベントでも、女性客が目立つようになったという。中には「幸村さまー」と歓声を上げる熱烈ファンもいるとか。


 綾 戦国武将は凛として潔い。男らしいって言うか、男気がある。今どきの男子にはない頼もしさに魅力を感じるのよね。


  戦国武将に理想の男性像を追い求めているというところかな。このところお笑いタレントがもてはやされたり、「おバカキャラ」が喝采を浴びているけれど、一方で、それとは正反対の現象が起きているということだね。

 折しも、世界中が「ジャパン・イズ・クール」「日本はかっこいい」と、日本の文化様式を評価し始めている。米国のテレビドラマにも日本の戦国時代のシーンが登場していた。時代が戦国時代ブームを求めていると言ってもいいかもしれない。

 きっかけがゲームということで、ブームがどこまで広がり、定着していくのかは分からないけれども、若者が日本の歴史や伝統文化に興味を抱いてくれればうれしいね。


 綾 一月四日に放送を開始した妻夫木聡主演の大河ドラマ「天地人」も好調な滑り出しのようね。


  主人公は上杉謙信の子・景勝に側近として仕えた直江兼続。戦国の乱世にも、「愛と義」を信条にした生きざまを終生貫いた人物だ。愛をモットーに生きた武将がいたというこれまでにない新鮮な切り口で戦国時代を描いている。殺伐とした今の世相にあって、愛と義に生きることのすがすがしさを強烈にアピールするに違いない。


 綾 戦国武将ブームに拍車が掛かるかもね。

(秋田大介)

(本紙掲載:1月25日)


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