ニューヨーク・タイムズ(米) 2010年1月28日
オバマ大統領の2年目
2009年は、壮大な公約実現のため苦闘した就任1年目のオバマ大統領に、大きな、そして時には痛みを伴う教訓を与える年となった。オバマ氏が27日の初の一般教書演説で、雇用創出と金融システム改革を最優先課題に据えたのは正しい。そして敵対的な議会や、自らが犯した誤り、マサチューセッツ州上院補選での敗北に屈して、医療保険改革をあきらめるようなことはしないと明言した。
国際面でオバマ氏は、イラクからうまく出口に向かいつつある。彼のアフガニスタンへの米軍増派決定は、勇敢で理にかなったものだった。27日の演説では、安全保障と法の支配のどちらを取るべきかという「間違った二者択一」を退けた。内政面では、景気後退の一層の悪化に歯止めをかけた景気回復策を導入した。燃費基準を厳格化し、右傾化を強めていた最高裁の新判事にソトマイヤー氏を任命した。適切な政策だったが、まだ十分ではない。自身も演説でそのことを認めた。
オバマ氏は、同氏の提案は何であれ阻止するという共和党の決意を、何度も見くびってきた。それだけに、前進に向け、より断固たる明確な姿勢を打ち出したのはいいことだ。米国が必要とする法の成立を共和党が阻止し続けたいのであれば、オバマ氏はそうさせ、国民がそれに注目できるようにするべきだ。
オバマ氏が、公的資金による救済を受けた大手銀行への追加課税を求めたのは正しい(彼は、銀行家の節度のないボーナスに課税するという下院の動きを支持するべきだ)。オバマ氏は演説で、不十分な金融規制改革法案には拒否権を行使すると述べ、下院が可決した規制改革法案をロビイストたちが上院で弱体化させようとしていると警告した。下院の法案も決して十分ではなく、オバマ氏には、自身の基本的な考えを早急に詳しく説明するよう望みたい。
オバマ氏が、財政赤字対策を練るための超党派の委員会を創設すると発表したのは適切だ。しかし雇用の一層の創出と、住宅ローンを抱える国民をより多く支援することこそ、最優先課題でなければならない。民間部門が自律的な景気回復を推進する可能性は当面ないようにみえる。従って景気刺激のための一層の支出(下院が可決した1540億ドルの雇用法案よりもっと多くの支出)が必要になる。オバマ氏は、小企業への融資や資本投資に対する優遇措置など幾つかの追加対策を提案しているが、それについて国民はもっと多くを聴く必要がある。
われわれは、熟慮して決めるオバマ氏の性格は尊重する。しかし彼は昨年、あまりにもしばしば態度を決めず、政敵が政策課題を規定し歪曲するのを許してしまった。27日の演説は、オバマ氏が、壮大なビジョンを感じ取らせることのできる、有能な演説者であることを思い起こさせた。道のりこそ長かったが。
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