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デーリー・テレグラフ(英) 2009年10日19日

保守党首は約束を守れ

 チェコのクラウス大統領は、欧州連合(EU)の新基本条約であるリスボン条約に反対し、条約の魔の手から英国を救うため「最後までがんばる」欧州懐疑派の英雄だった。ところが大統領は今週末、ある種の裏切り者に変容してしまった。リスボン条約の反対派は、クラウス大統領が、力尽きた、あるいは、チェコを無視するというEU側の脅しにやられた、と言っている。クラウス大統領は近く、条約に署名することが見込まれており、これでEUの全加盟国による批准手続きが完了する。これは、英国で次の保守党政権が発足する時(もしもそうなればの話ではあるが)、リスボン条約は発効していることを意味する。

 一言でいえば、クラウス大統領の署名によって、英国でリスボン条約批准の是非をめぐって国民投票が行われる可能性はほとんどなくなる。保守党のキャメロン党首は2008年6月の時点で「われわれは現状に満足していない。われわれは、一部の権限を取り戻したいと考えている。しかし、他の欧州諸国ではリスボン条約は批准されているので、英国で国民投票を行うことはできない」と述べて、その立場を明らかにしていた。

 コメンテーターたちは昨日、クラウス大統領が心変わりしたため、キャメロン氏はホッとしていることを示唆した。もしクラウス氏が、英国の総選挙が行われるまで、条約署名を引き延ばしていれば、キャメロン党首は、国民投票実施という当初の公約を実施せざるを得なくなっていたはずだからだ。彼は約束を守る人物であることを誇りとしている。しかし国民投票を実施すれば、保守党を分裂させる危険にさらすことになる。条約批准の是非だけでなく、英国がEU加盟国であることの是非を問う国民投票と解釈するかどうかをめぐって党が割れるからである。有権者の多くは、EU残留か脱退かをめぐる国民投票になると考えている。

 しかし、国民投票実施の可能性がなくなったからといって、保守党はEUから主権を取り戻すという基本的義務から解放される訳ではない。特に他の加盟国は、加盟国の拒否権を廃止し、欧州議会の権限を強化するリスボン条約下で、さらに主権を放棄しようとしており、こういう時こそ保守党は主権を取り戻すべきだ。

 キャメロン党首と影の外相は、EUから英国の独立の度合いを拡大すると約束しており、キャメロン党首はここでこそ、約束を守る人物であることを示すべきだ。2人がどのようにしてそれを実行するかを知りたい。英国の司法や内政へのEUの干渉は圧倒的なものとなっており、一部の権限は一方的に取り戻す必要があるほどだ。EUとの関係を変えるのが将来の保守党政権の役割であり、そういう変更のために国民投票が必要なら、それを実行すべきだ。

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