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ニューヨーク・タイムズ(米) 2009年10月10日

オバマ氏の平和賞受賞

 オバマ大統領は、ノーベル平和賞受賞のニュースに適切に反応した。彼は、謙虚に受け止めているとし、授賞理由となった自身の努力が始まったばかりであることを認め、その努力を独りではなく各国と協調してなし遂げると約束した。

 オバマ氏の受賞について左派勢力は、戦争遂行中の大統領に平和賞を贈ったとノーベル賞委員会を非難した。右派勢力は、オバマ氏が外交に関与したことで米国を裏切ったと公言した。ブッシュ前大統領の忠臣たちもまた、自らの責任を完全に棚上げして、オバマ氏はアフガニスタンとイラクでの戦争をいまだに終わらせていないと嘲笑した。しかしブッシュ氏が世界中で引き起こした反感を抑えたことは、オバマ氏が就任後9カ月足らずで達成した大きな業績の一つだ。進んで他国を尊重し、彼らと協力し合うその姿勢は、もう一つの業績である。

 オバマ氏は、グアンタナモ収容所の閉鎖、気候変動、核廃絶、中東和平への取り組みや、イランに核の野心の放棄を迫りつつ、一方で関与する姿勢を明確にして、世界での米国の立場を強化した。しかし平和賞を狙ったわけではなかった。そのことは米国の大統領への期待がいかに高いかを想起させるし、オバマ氏が世界と米国をより安全にするためにまだ達成していない課題をクローズアップする。

 イラクでは、秩序ある撤退への道のりはいまだに遠い。アフガンでは、ブッシュ氏が果たさなかったこと、つまり、米軍と同盟国軍を勝ち目のない終わりなき戦争に陥らせることなく、アルカイダを打倒し、タリバンを封じ込める戦略を近いうちに決定する必要がある。核兵器のない世界の実現というオバマ氏が唱える目標に向けて真の前進を図るには、米国とロシアの双方が核兵器の大幅削減に同意する必要がある。イランが不正な核活動の放棄を拒絶するのであれば、厳しい制裁を科すよう、オバマ氏は主要国に強く求めなければならない。また北朝鮮の核計画を押しとどめるために、より効果的な戦略を策定する必要もある。

 気候変動問題では、オバマ氏は新規制を導入して炭素の排出抑制にいよいよ取り組むが、一方で米国は、排出抑制のための世界的合意の達成に向け主導的役割を果たす必要がある。オバマ氏は、グアンタナモ収容所を閉鎖するという自身の公約を守り、米国の憲法や価値観に沿う方法でその収容者を扱うために、議会の狭量な反対勢力に打ち勝つ必要がある。また告発なしの拘束でジュネーブ条約を無視したブッシュ氏の行き過ぎた行為を償うために、やるべきことがもっとある。

 米国の有権者は、米国の価値観と指導力の回復を期待し、オバマ氏にはそれができると信じて彼を大統領に選んだ。オバマ氏の平和賞受賞と、それへの幅広い支持の表明は、いかに多くの世界の人々が同じことを望んでいるかを示すものだ。

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