平成18年12月16日
改正教育基本法が成立
59年ぶり見直し−自公の賛成で
内閣不信任案は否決
政府・与党が臨時国会の最重要課題と位置付けていた改正教育基本法が十五日夜の参院本会議で自民、公明両党の賛成多数で可決、成立した。同法改正は一九四七年の制定以来初めて。教育目標に「我が国と郷土を愛する態度を養う」との表現で「愛国心」を盛り込んだ。政府は今後、関連法令の抜本見直しに着手し、教育改革を本格化させる。
安倍晋三首相は同日夜、改正法成立を受け、「新しい時代の教育の基本理念を明示する歴史的意義を有する。教基法の精神にのっとり、品格ある美しい国をつくれるよう教育再生を推し進める」との談話を発表。また、記者団に「子供たちにとって学校が楽しく、安心、安全な場所で、誰もが高水準の学力と規範を身に付けることができるように全力を挙げたい」との決意を示した。
これに先立って開かれた衆院本会議では、不測の事態による改正法廃案を警戒した与党の申し出を受け、今国会の会期を十九日まで四日間延長することを議決。続いて、野党四党が共同提出した安倍内閣不信任決議案が採決された。民主党の菅直人代表代行は趣旨弁明で、タウンミーティングでの「やらせ質問」や高校必修科目の履修漏れ問題などを挙げ、「偽の改革を継承する安倍内閣は信任できない」と訴えたが、自公などの反対多数で否決された。
参院本会議では、野党四党が提出した伊吹文明文部科学相の問責決議案が自公の反対多数で否決された。共産、社民両党は首相問責決議案も提出したが、民主党が「内閣不信任案の提出で十分」として同調しなかったため、採決に付されなかった。
この後、改正教基法が採決され、成立した。採決の際の討論で、野党側は「議論を拒否する与党の姿勢は言論の府の存在意義をないがしろにする」と批判。与党は「教基法改正は首相が掲げる美しい国づくりに貢献する」と反論した。
今国会の法案処理は十五日で終了し、会期末の十九日に閉会中審査の手続きが行われる。改正法は前文と十八条で構成。前文に教育の理念として「公共の精神」などを明記したほか、生涯学習などの条項を新設した。政府が今年四月に通常国会に提出し、継続審議となっていた。
時事