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平成15年9月22日
福岡市男女共同参画条例案

穏やかな表現の陰に過激思想

性の自己決定、入札規制−懇話会委員の偏向反映

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「中間とりまとめは控えめなもの」と訴える豊永条例検討部会委員(右から3人目)ら「フォーラム」出席者たち= 13日、福岡市女性センター・アミカス

 その後、山下女史の司会でパネル討論会が行われ、条例検討部会委員と事務当局の長谷川喜代部長が姿を現した。

 条例検討部会委員には九人中、「福岡市に男女共同参画推進条例(仮称)を作る会」代表という肩書の女性が三人も入っており、人選の偏向が市民から指摘されている。

 さらに、討論会には、内閣府男女共同参画会議議員を務める古橋源六郎氏の顔も。

 古橋氏は、男女共同参画社会基本法の思想に最も影響を与えた大澤真理・東大教授を同法作成にかかわる審議会委員に招き入れた人物。今は内閣府の苦情処理・監視専門調査会の会長だ。

 いかに、ジェンダーフリー推進論者が福岡市条例を重視しているかわかる。同氏は条例案を「素晴らしい出来映え」と褒めちぎっていた。

 「フォーラム」参加者は、事前の申し込みが必要で、会場は牛島健五・九州電力人事労務部長(条例検討部会委員)が「こんな女性ばかりの会場で話すのは初めて。全く疲れますね」というように、二百人余りのほぼ全員が女性。日本の「固定的役割分担」の批判以外、口にできるような雰囲気ではなかった。

 福岡市は、条例案とも言える「中間とりまとめ」を経て十二月に最終案を出し、来年三月の市議会で成立を図る予定だ。相当に急ピッチの作業である。

 この条例案は「前文・基本理念・責務・禁止規定・施策・苦情処理」などの項目からなるが、長谷川部長は、「中間とりまとめ」が男女共同参画社会基本法の基本理念に忠実にのっとった内容であることをアピール。

 さらに、福岡市が、政令指定都市の中で@一般世帯に占める単身世帯の率が最も高いA女性の未婚率(二十五―二十九歳)が最も高いB合計特殊出生率(一人の女性が生涯に産む子どもの数)が1・17で三番目に低い――などの問題を抱えている、と説明した。

 条例検討部会委員の豊永郁子・九大大学院法学研究院助教授は「これは極めて控えめな内容だ。これを通さないと福岡のメンツは丸つぶれだ」と断言。質疑応答の時間もなく、一方的に条例案がPRされて終わった。

 しかし、その内容をよく見ると、ジェンダーフリー推進論者、堂本暁子千葉県知事が提出した過激な千葉県条例案(今年二月に廃案)とうり二つ。あまりに過激な内容であるため、自民党県連が修正を要求した経緯がある。

 修正要求を受けた@ジェンダーフリー教育の推進A性の自己決定権B農村の自由な家族の人間関係まで束縛する家族経営協定C入札の差別的処遇――の四項目が、「控えめ」な表現ですべて「中間とりまとめ」に入っている。

 それ以外にも「公衆に表示する情報への配慮」(禁止規定)で「性別による固定的役割分担…を助長し、連想させる表現…を行わないよう配慮しなければいけない」と規定。表現の自由が制限される内容になっている。

「子どもの健全育成優先を…」専業主婦の訴え無視

 さらに問題となるのは、物議を醸した埼玉県条例の苦情処理機関を手本にしている点だ。埼玉県では、条例の制定後「(県内)公立高校の別学解消の早期実現を申出いたします」(申し出趣旨)という苦情が、一斉に苦情処理機関に寄せられたことがある。

 提出された「苦情等申出書」八通は、その趣旨と概要の文面が全く同じであるうえ、提出日も全く同じだった。

 提出したのは、新日本婦人の会、日本婦人会議埼玉県本部や労組などの左翼的グループで、示し合わせて行われたことは明白。幸いにも、男女別学の良さを守ろうとする別学高校PTAら有志が立ち上がり、昨年十月、約二十七万人もの署名を集めて土屋知事(当時)に提出し、苦情処理機関を悪用した“暴走”を阻止した経緯がある。

 もし、福岡市がこの条例案を制定すれば、こうした悪夢が再現されることは必至。

 そもそも、条例検討部会は第一回会合で『男女共同参画推進条例のつくり方』(以下『つくり方』)という本に示されている条例案をモデルにする意向を表明している。

 『つくり方』の著者は、埼玉県・条例検討委員会委員だった山下泰子、橋本ヒロ子、斎藤誠の三氏だ。北京JACの幹部が顔をそろえている。この日、パネリストとして出席していた東定喜美子・条例検討部会委員は「北京JACふくおか」の副代表である。

 「北京JACふくおか」主催のある講演会は「ジェンダーフリー礼賛一辺倒で、(日本の伝統的家族を描いた)『サザエさん』は悪いマンガだと言い切っていた」(福岡市内の主婦)のが実情だ。

 条例検討部会第二回会合では、市民六人が意見を表明する機会が与えられた。

 その中で、ある専業主婦は、「人間社会は、家事、育児、介護、地域活動などの数字にあらわせない無償労働や奉仕と、それに伴う思いやり、感謝といった心のやりとりが潤沢に存在してこそ健全に機能するもの。男女共同参画社会とは、男女が互いにその特性を尊重し、協調、協力し合う社会であると考えます。子どもの健全育成のためにも、条例の中でぜひこの点を明確に規定し、偏ったジェンダー論の中で育児のあり方が論じられることのないようにしてほしい」とし、「子どもの心の健全育成なくしては、男女共同参画という理想社会の実現もあり得ない」と訴えた。

 しかし、「中間とりまとめ」は、この意見を反映するどころか、家族経営にまで立ち入るなど、自己犠牲、奉仕まですべて数量化し、専業主婦を生きづらくし「出産・子育てより自己実現だ」とする生き方を奨励している。

 女性の晩婚化が進み、単独家庭、少子化が進む福岡市が本当に必要としているのは、中絶をも自分の都合で行う「性の自己決定権」をうたった条例案なのだろうか。とりわけ、十代女性の中絶が人体に与えるダメージは大きく、少子化の遠因となる。

 市長が要望する安全な居住地域づくりには、伝統的な家庭こそ、まず欠かせないのではないだろうか。

 福岡市は、来月十四日までの一カ月間、「中間とりまとめ」に対する市民の意見を、男女共同参画推進懇話会事務局(FAX092―733―5555、電子メール=danjojorei@city.fukuoka.jp)で募集している。

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