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平成15年9月11日

性の自己決定権、家族経営協定盛り込み−福岡市男女参画条例案

苦情処理機関で睨み利かす

 福岡市の男女共同参画推進条例案が、性の自己決定権、家族経営協定など「男らしさ、女らしさ」を否定するジェンダーフリー思想が色濃く反映した千葉県条例案をそっくり盛り込んだ上、苦情処理機関を設けてその思想に賛同しない市民、事業所などを罰する内容になっていることが、本紙がこのほど入手した同条例案「中間とりまとめ」で明らかになった。同条例案を作成した市男女共同参画推進懇話会は、ジェンダーフリー推進派に支配されており、「家庭を重視する条例を作るべきなのに間違った方向に向かっている」(福岡市内主婦)との声が上がっている。
(山本 彰、遠藤三郎)

堂本知事の千葉県条例案より過激に/本紙が「中間とりまとめ」入手

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「政府見解にそった男女共同参画条例を作る講演会」で所見を述べる福岡市市民局男女共同参画部の長谷川喜代部長(中央)=8月30日、福岡市女性センター「アミカス」

 同懇話会は、福岡市女性センター、アミカスを舞台にして十三日に行われるフェミニストの祭典「アミカス祭り」の主要行事「ふくおか女性フォーラム」の場で、「中間とりまとめ」を公表する。

 この日から来月十四日までの一カ月間、このとりまとめ案に対する意見を市民から募集し、懇話会の最終答申を十二月に市に提出する段取りだ。来年三月の議会で条例案成立を目指している。

 本紙が入手した「中間とりまとめ」によると、堂本暁子千葉県知事の男女共同参画条例案が掲げていた問題のある項目がすべて入っている。その項目とは@教育における男女共同参画の推進A性の自己決定権B農林水産業での収益分配などを規定する家族経営協定C県が主催する入札での優遇――の四項目。

 千葉県議会最大会派の自民党県連は昨年九月、これら四項目があまりに過激だとして修正を要求した。さらに同県連は、修正では不十分との判断から、ジェンダーフリー思想を排除した独自の条例案を提出し、最終的に堂本案とともに今年二月、廃案となった経緯がある。

 この廃案となった内容を復活させたのが福岡市の「中間とりまとめ」だ。

 まず@については、「教育における男女共同参画の推進」(施策・基本的事項10)で市が学校教育など全教育において「男女共同参画を推進するための教育を充実するよう必要な措置を講じる」とうたっている。千葉県案では堂本知事が「性別にかかわりなく」という文言にこだわったが、もともとこれは男女共同参画社会基本法の前文に盛り込まれている。批判をかわすためにも、あえて挿入にこだわる必要はないものだ。

 またAについては、「性への理解、妊娠・出産に関する意思の尊重と健康の保持」(同13)で市は「妊娠・出産その他の健康について自らの意思が尊重されるよう、性に関する教育・相談その他の必要な措置又は支援を行うよう努める」と規定。ソフトな表現になっているが、妊娠中絶を含めた性の自己決定権を主張している。これは、わが国の母体保護法に違反するため、国の基本法でも盛り込めなかった内容だ。

 Bについても「家族が従事する自営業における男女共同参画」(同8)で、懇話会は「農林水産業を営む家庭の女性は、かなりの負担を強いられているようであり、この分野でも男女共同参画の視点は忘れてはいけない」とアピール。農村の主婦の不満感をあおっている。

 さらにCに関しても「事業者に関する施策」(同3)で、事業者の男女共同参画推進状況の報告義務付けを規定した上で、懇話会は「公契約を請け負う事業者で推進している事業者には公契約とからめて優遇措置をする」と示唆している。

 加えて、千葉県条例案より厳格な苦情処理機関の設置を義務付けている。

偏向する懇話会委員

福岡市の条例つくり、「政府見解に沿う」と市側弁明

 この苦情処理機関は、埼玉県条例を模範にしたものだ。

 埼玉県では、これに基づき同県の「公立高校における別学解消の早期実現を申出いたします」(申し出趣旨)という苦情がその同処理機関に一斉に寄せられたことがある。

 提出された「苦情等申出書」は、その趣旨と概要の文面が全く同じものが八通。それも同じ日に出された。

 提出したのは新日本婦人の会、日本婦人会議埼玉県本部や労組などで、明らかに組織的に行ったもの。

 幸いにも、男女別学の良さを認識する別学高校PTAら有志が立ち上がり、昨年十月、約二十七万人もの署名を集めて土屋知事(当時)に提出し、苦情処理機関を悪用した“暴走”を阻止した経緯がある。

 もし、福岡市がこの条例案を制定すれば、こうした悪夢が再現されることになろう。

 同懇話会・条例検討部会は、九人の委員のうち「福岡市に男女共同参画推進条例(仮称)を作る会代表」と称する女性フェミニストが三人も入っている。

 「この人選に偏りがあるのでは」との本紙の取材に対して「『作る会』は、もともと市内に百近い組織を持つ大きな団体であるため、共同代表として三人を入れた」(市民局男女共同参画部)と懸命に弁明。

 「作る会」代表の懇話会委員、東定喜美子氏が属する組織「北京JACふくおか」主催のある講演会は、「ジェンダーフリー教育を礼賛するもので、『サザエさん』は悪いマンガだと言い切っていた。そのうえ福岡市が四十万円を支援し、しかも入場料は四百円。福岡市がこの講演会を支援しているようにしか見えない」(福岡市内主婦)というのが実情だった。

 「中間とりまとめ」が、千葉と埼玉での過激な内容をミックスした内容になるのもうなずけるというものだ。

 先月末、「家庭と育児とを大切にする女性の会」主催の「政府見解にそった男女共同参画条例を作る講演会」(後援、日本会議福岡・男女共同参画を考える会)が開かれた。

 市男女共同参画部の長谷川喜代部長は「条例案は男女共同参画社会基本法に沿って策定している。一部で誤解されているようだが、政府見解にのっとった条例を作る」と強調。

 一方、保守系市議ら八議員も参加し、川口ひろし市議(自民党、博多区選出)は「(条例が)家族制度の崩壊につながってはならない」と訴えた。

 十三日に「中間とりまとめ」を公表し、市民の意見を聞く姿勢を示す懇話会だが、「男女共同参画基本法を根本から変えられないのだろうか。国の中心から間違っているから地方自治体でおかしな条例が作られる。懇話会の人選も、到底、市民のコンセンサスを得たやり方とは思えない」(福岡県大野城市の主婦)と、不信感が高まっている。


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