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ベネズエラのマドゥロ政権へ圧力強化


米、支援続ける中露を非難

 ポンぺオ米国務長官は11~14日、チリ、パラグアイ、ペルー、コロンビアの南米4カ国を歴訪した。混迷が続くベネズエラのグアイド国会議長を同国の暫定大統領として支持する南米諸国と結束を確認しつつ、反米左派マドゥロ政権を支持する中国やロシアを厳しく非難。ベネズエラのマドゥロ政権に圧力を強めることで孤立させる狙いだが、中露両国はマドゥロ政権を支える姿勢を崩さず膠着(こうちゃく)状態にある。

ポンぺオ米国務長官

ポンぺオ米国務長官(UPI)

 ポンペオ氏は15日にベネネエラ国境に近いコロンビア北部ククタを訪問し、ベネズエラから脱出した数千人難民と面会。その後、同国のドゥケ大統領と記者会見したポンぺオ氏は「マドゥロ氏による強奪をやめさせるべきだ。すべてのベネズエラ人や世界は、正統性のない権威主義的な政権を拒否すべきだ」と強調し、経済制裁やビザの取り消しなどあらゆる手段でマドゥロ政権に圧力をかけると訴えた。

 ポンぺオ氏は、依然としてマドゥロ氏を支えている中露などにも非難の矛先を向けている。ポンぺオ氏は記者団に「キューバもマドゥロ政権への支援を続ければ代償を支払うことになると知るべきだ。ロシアについても同じことが言える」と述べ、牽制(けんせい)。12日にチリを訪問した際は、先月ベネズエラに100人の軍隊を派遣したロシアを「明らかな挑発行為」と批判した。

 また、「中国からの資金が、ベネズエラの危機を後押しし、長引かせている」と述べ、中国からの巨額の投資資金が、マドゥロ氏の親族らや民主化運動を弾圧するために用いられていると訴えた。

 こうした発言に、米国の「裏庭」とされる南米への影響力拡大を図る中露は反発。また、米国はグアイド氏への政権移行のカギを握るとみられるベネズエラ軍のマドゥロ氏からの離反を呼び掛けているが、大半はなおマドゥロ氏を支持するなど、膠着状態が続いている。

 米財務省は12日、ベネズエラからキューバへの石油製品輸出に関与したとして、イタリア企業など海運会社4社に制裁を科すと発表。トランプ政権は「すべての選択肢はテーブル上にある」として軍事介入の可能性を排除していない。当面は経済制裁の強化でマドゥロ氏へ圧力をかけるとみられるが、事態打開の見通しは立っていない。

(ワシントン 山崎洋介)