バイデン氏から「不適切な接触」 米民主党の女性から告発続く


 2020年米大統領選への出馬を検討しているバイデン前副大統領から、不適切な性的接触を受けたとする女性の告発が続いている。正式な出馬表明はしていないものの、民主党候補として世論調査で軒並み1位のバイデン氏の出馬判断への影響が注目される。

バイデン米副大統領

女性の肩に両手をかける当時のバイデン米副大統領(左奥)=2015年2月、ワシントン(AFP時事)

 先週、ネバダ州副知事選の民主党候補だった女性が、「2014年の選挙集会でバイデン氏から髪にキスをされた」と告発。これにバイデン氏は、「不適切な行為をした認識はない」と釈明に追われた。

 しかし、1日にはコネティカット州で議員スタッフを務めていた女性が新たに名乗り出て、地元紙に10年前の集会で「バイデン氏が顔を引き寄せ、鼻をこすり合わせてきた」と訴えた。

 米メディアによると、バイデン氏は、今月中にも出馬を判断するとみられている。年齢が不安視されていたものの政治経験豊富な中道派のバイデン氏が、これらの告発を受け出馬辞退に追い込まれれば、民主党予備選は左派乱立の傾向が一層強まることは確実だ。

 バイデン氏が出馬を見送れば、民主党を「社会主義の党」として批判を強めるトランプ大統領および共和党を利する形となる可能性もある。

 このため、これらの告発が「(バイデン氏が)大統領になる資格を失わせるものではない」(民主党のペロシ下院議長)などと擁護する声も、同党指導部からは上がり始めている。

(ワシントン 山崎洋介)