ロシアのベネズエラへの兵員派遣、米大統領「出ていくべき」


ベネズエラからの撤収要求

 トランプ米大統領は27日、政情不安が続く南米ベネズエラにロシアが100人の兵員を派遣したことについて、「ロシアは出ていくべきだ」と述べ、撤退するよう要求した。ホワイトハウスで「暫定大統領」を宣言したベネズエラのグアイド国会議長の妻であるファビアナ夫人会談した際、記者団に述べた。

トランプ大統領

27日、米大統領執務室でベネズエラのグアイド国会議長の妻・ファビアナ夫人(左)と会談し記者団に語りかけるトランプ大統領(UPI)

 また、同夫人は記者団に現在のベネズエラの状況は「自由か独裁か、生か死かだ」と訴え、多くの国民が飢え、子供が犠牲になっているとしてマドゥロ政権下の惨状を非難した。米政府や他の約50カ国がグアイド氏を正統な大統領として支持しており、同夫人もファーストレディーとして大統領執務室に迎え入れられた。

 トランプ氏はまた、ロシアがベネズエラから撤収しない場合、軍事力を行使する可能性があるか問われ、「あらゆる選択肢がある」と繰り返しつつも明言は避けた。米国や欧州諸国が経済制裁などでマドゥロ政権に圧力をかける中、ロシアはマドゥロ政権への支援を続けている。

 トランプ氏とは別にファビアナ夫人と面会したペンス副大統領は、ロシア軍用機のベネズエラ派遣を「歓迎されない挑発行為」と批判。「ロシアに対しマドゥロ政権へのすべての支援を停止し、自由が回復するまで西半球や世界の国々とともにグアイド氏を支援すべきだ」と要求した。

(ワシントン  山崎洋介)