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米非常事態宣言、上院も「無効」可決


共和から12人が造反

 米上院は14日、トランプ大統領が国境の壁建設のために出した非常事態宣言を無効にするための決議案を59対41の賛成多数で可決した。野党・民主党の47人全員が賛成したことに加え、与党・共和党から12人が賛成に回った。

ロムニー上院議員

14日、ワシントンの米議会で、取材に応じるロムニー上院議員(EPA時事)

 下院では先月、賛成245、反対182ですでに可決している。トランプ氏は上院での可決直後にツイッターに「拒否権だ」と投稿。無効決議は「国境を開放させ、犯罪、麻薬、人身売買を増加させる」と批判し、就任後初となる拒否権を行使する考えを示した。

 議会が拒否権を覆すには上下両院でそれぞれ3分の2以上の票が必要となる。しかし、今回の投票で両院とも3分の2の賛成には達しておらず、現時点では困難とみられる。

 造反した12人の共和党議員の多くは、トランプ氏が主張する国境の壁建設などの不法移民対策に賛成している。非常事態宣言の無効決議に賛成したのは、それが予算決定の権限を持つ「議会の憲法上の特権を侵害する」ことが主な理由だ。

 トランプ氏は投票に先立ち、「共和党の上院議員による今日の決議への投票は、ナンシー・ペロシ(下院議長)、犯罪、そして国境を開放する民主党への投票だ」と牽制(けんせい)した。だが、予想以上に共和党議員の造反が広がったことで、トランプ氏の今後の政権運営に懸念を残すこととなった。

(ワシントン 山崎洋介)