ブラジル ルラ元大統領に禁錮12年11月


刑期25年に延長も

 ブラジル南部クリチバの連邦裁判所は6日、ルラ元大統領(73)に対して、収賄罪などで禁錮12年11月の一審判決を言い渡した。政府系ブラジル通信が報じた。

ルラ元大統領

ルラ元大統領(AFP時事)

 罪状は、大統領在任中のルラ氏が、サンパウロ州アチバイアに所有する別荘の改装費87万レアル(約2600万円)を大手ゼネコンに肩代わりさせたというもの。

 ルラ氏は現在、別の収賄罪で禁錮12年1月の有罪判決(二審)を受けており、昨年4月からクリチバの特別施設に収監されている。昨年10月の大統領選挙では、収監中にも関わらず立候補を目指したが、選挙裁判所が却下。労働党は代替候補を立てたが右派で元軍人のボルソナロ氏に敗北した。

 今回の判決に関してルラ氏の弁護団は控訴を予定しているが、仮に今回の判決が確定した場合、刑期は25年に延長されることになる。

 ルラ氏は、労働運動出身のカリスマ政治家として知られ、左派系労働党の顔とも言える存在。資源ブームと好景気、貧困層向けの社会政策を背景に最盛期には8割近くの世論支持率を得ていた。

(サンパウロ綾村悟)