マティス米国防長官2月辞任


シリア撤退で意見対立

 トランプ米大統領は20日、マティス国防長官が2019年2月末に辞任すると発表した。トランプ氏が表明した米軍のシリア撤退などをめぐって意見が対立したことが理由とみられる。

トランプ米大統領(右)とマティス国防長官

トランプ米大統領(右)を見詰めるマティス国防長官=2017年10月、ワシントン(AFP時事)

 トランプ氏はツイッターに、マティス氏について「国防長官としての任期中、特に装備品の新規調達で大きな進展があった」と投稿。「同盟国などに軍事費の負担を共有させる上で、大きな助けになった。非常に感謝している」と述べ、後任をすぐに決める意向を示した。(2、5面に関連記事)

 マティス氏はこの直後、トランプ氏に宛てた書簡を公表。その中で、米国の強みは「同盟やパートナーという唯一で包括的なシステムと緊密な関係にあると固く信じている」と主張。その上で、「あなたはさまざまな課題について、より考え方に合った国防長官を選ぶ権利がある。だから、私が辞任すべきだと考える」と述べ、トランプ氏と意見の違いが辞任の理由だと強く示唆した。

 米メディアによると、マティス氏は20日、ホワイトハウスを訪れ、シリアから米軍を撤退させれば、米軍とともに戦ってきたクルド人部隊などを見捨てることになるとして、トランプ氏に思いとどまるように説得。しかし、聞き入れられず、辞任の意思を伝えた。

 マティス氏はこのほか、性的少数者の米軍入隊やイラン核合意からの離脱、メキシコ国境への米軍派遣などをめぐり、トランプ氏と意見が対立していたことが伝えられている。

(ワシントン山崎洋介)