米シンクタンク、テロとの戦いで警鐘


柔軟な戦略必要

 米ワシントンの保守系シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ政策研究所(AEI)は、米国はアルカイダや「イスラム国」(IS)などの過激派組織との戦いで勝利しているが、世界各地に深く根を下ろした聖戦運動と戦う戦略を持っていないと指摘、長期的に「テロとの戦い」で敗北する可能性があると警鐘を鳴らした。

 AEIの報告によると、米国は「イラク、アフガニスタン、シリア、イエメンなどの戦場では短時間で効果的な戦い方を編み出した」と評価する一方で、米国の戦略は全体として、「(アルカイダやISのような組織は)世界的な運動の一部であり、このような運動が、個々の組織の殲滅や構成員の殺害で消えることはない」という点を見落としていると、現在の「テロとの戦い」の問題点を強調した。

 報告によると、現在のテロ対策は2001年9月1日の同時多発テロ後に立てられたものであるにもかかわらず、その後「ほとんど変えられていない」。

 その上で「聖戦運動は、現地で変化する状況にあらゆるレベルで適応し続け、学習、適応能力が非常に高い。…米国は敵の戦略、作戦の変化に追い付けず、戦闘では勝利するものの、戦争では敗北する可能性がある」と、柔軟な、長期的な作戦の必要性を訴えている。

(ワシントン・タイムズ特約)