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イラン制裁再開も効果は限定的


米専門家ら指摘

 米政権は5日、イランへの「史上最強」の経済制裁を開始したが、イランは過去にも原油禁輸などの制裁を受けたものの、巧妙に切り抜けており、専門家からは、その効果にすでに疑問の声が出ている。

 制裁は、5月のイラン核合意離脱以降、最も包括的なもので、金融取引から原油禁輸にわたる強力なものだ。しかし、中東専門家からは、禁輸は米政権が予測しているほどの効果はないとの見方が出ている。

 ワシントンの中東研究所イラン監視計画のアフマド・マジドヤール所長は、「イランは長年、さまざまな制裁を受けてきたが、どの国よりもうまく切り抜けてきた」と指摘、「イランは損失を受けても、政権転覆への実質的な脅威となるとは思っていない」と、制裁の効果は限定的との見方を明らかにした。

 民主主義防衛財団の制裁専門家、ベーナム・ベン・タレブル研究員は、「法的、経済的枠組みは出来上がった」とした上で、「この種の強制的な措置すべてに言えることだが、継続することが重要だ」と、制裁回避を防ぐための監視活動などの必要性を訴えた。

 イランは過去30年ほどの間にエネルギー部門への制裁を何度も受け、密輸や資金洗浄の高い技術を持っている。

 世界中で4500隻のタンカーが年間20億バレルの原油を輸送しており、アナリストらは、この巨大な市場を監視することは不可能と指摘する。また制裁対象になっていない液状の製品と混ぜて輸出するなど、密輸の手法は多岐にわたるという。

(ワシントン・タイムズ特約)