米国務長官、7日訪朝


米朝再会談調整、非核化進展が焦点

 米国務省は2日、ポンぺオ長官が7日に北朝鮮を訪問し、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と会談すると発表した。非核化問題について協議し、2度目の米朝首脳会談に向けた調整を行う。ポンぺオ氏は、日本や韓国、中国も訪問する。

6日に来日、首相らと会談

 ポンぺオ氏の訪朝は、中央情報局(CIA)長官時代を含め4回目となる。トランプ大統領は8月、非核化への進展が見られないとしてポンぺオ氏の訪朝を中止していた。

金正恩朝鮮労働党委員長(右)とポンペオ米中央情報局

今春訪朝した際、平壌で金正恩朝鮮労働党委員長(右)と握手するポンペオ米中央情報局(CIA)長官(当時)=4月26日に米国務省が公表(AFP時事)

 6月に行われた史上初の米朝首脳会談で、北朝鮮は「完全な非核化」を約束したが、その後、米朝交渉は停滞。北朝鮮が非核化の前に朝鮮戦争の終戦宣言や制裁の解除を求める中、今回の訪朝で、北朝鮮による核施設の申告や査察受け入れなどの具体策に踏み込めるかが焦点となる。

 国務省のナウアート報道官は2日、「ポンぺオ氏が1年以内に4回訪朝することが、交渉が前向きに進んでいることを示している」と強調。非核化に向けて「道のりは長いが、今回の対話によって次の段階に進むことを期待している」と述べた。

 一方、北朝鮮の朝鮮中央通信は2日の論評で、終戦宣言は「非核化措置との取引材料ではない」と主張。北朝鮮が非核化で「重大な措置」を講じている一方、「(米国は)制裁で屈服させようとしている」と批判。ポンぺオ氏の訪朝を前に、米国に揺さぶりをかけた。

 また、北朝鮮の李容浩外相は先月29日、国連総会の一般討論演説で、米国が終戦宣言に反対していると非難。制裁を継続していることにも不満を表明している。

 トランプ氏は先月29日の集会で、正恩氏と「恋に落ちた」などと親密さを強調。2度目の首脳会談にも意欲を示しているが、ポンぺオ氏の今回の訪朝で非核化に向けた具体的な成果を得られるかは不透明だ。

 ポンぺオ氏は、6~7日に日本を訪問し、安倍晋三首相や河野太郎外相と会談する。7日には、韓国の文在寅大統領と会談。8日には、北京を訪問する。

(ワシントン山崎洋介)