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ローマ法王、性的虐待で異例の書簡


具体策なく批判も

 米ペンシルベニア州のカトリック教会の聖職者らによる子供に対する性的虐待が明らかになったことを受けて、フランシスコ・ローマ法王は20日、世界中のカトリック信徒向けに異例の書簡を出して虐待を非難した。しかし、具体的な対策については言及せず、「口先だけの宣伝活動」との批判の声も上がっている。

 書簡は、「教会として、適切な対応が取られてこなかったことを恥じ、悔いている」と性的虐待に対する教会のこれまでの対応が不十分だったことを認めた上で、「すべての神の民」が解決に取り組まなければならないと、教会全体で取り組む意向を表明した。

 虐待をめぐっては、ワシントン大司教のワール枢機卿が、ピッツバーグ教区の聖職者だった当時、事件の隠蔽(いんぺい)を図ったされている。しかし、ワール枢機卿が参加した20日の聖職者らとの会合では、辞職などは協議されなかったもようだ。

 調査機関「ビショップアカウンタビリティー」の共同責任者、アン・バレット・ドイル氏は20日、「ここにきて言葉だけというのは、侮辱であり、痛みを強めるだけ」と具体的な対応を示さない書簡に苦言を呈した。

 著名なブロガーで聖職者のドワイト・ロンゲネッカー師も「虐待を実行した者、支援した者から注意を逸(そ)らすための口先だけの宣伝活動」と批判的だ。

 虐待は、ペンシルベニア州大陪審の報告で14日に明らかになったもので、70年以上にわたり、1000人以上が被害を受けたという。約300人の聖職者が関わっていたとされているものの、隠蔽や口止めなどで、大半の聖職者が責任を逃れている。

(ワシントン・タイムズ特約)