米政権、イランに制裁再発動


自動車や貴金属など

 トランプ米政権は米東部時間7日午前0時すぎ、イラン核合意から離脱したことに伴い、対イラン制裁の一部を再発動した。イランとの自動車や貴金属などの取引を制限し、イランのロウハニ政権に対し、弾道ミサイル開発計画の放棄や中東地域でのテロ活動への支援の停止を求めた。

 トランプ大統領は6日、制裁を再発動させる大統領令に署名した。その上で声明を発表し、「われわれは、イランの政権に対し、脅迫的な行動を改めるか、もしくは経済的な孤立の道を進むのかという選択を迫るため、各国にこれらの措置を講じることを求める」と協力を呼び掛けた。一方で、「弾道ミサイル開発やテロ活動への支援の停止を含むより包括的な取引を結ぶための扉を開き続ける」とし、対話に応じる姿勢も見せた。

 今回の制裁再発動は第1弾で、イランとの自動車や航空機、金または希少金属、石炭などの取引のほか、イラン政府による米ドル資金の購入を禁止する。日本など第三国の企業も違反した場合には、制裁の対象となる。

 米政府高官は、記者団に対して、イランの政権を転覆させる狙いはないと説明。一方で、「イランが中東地域で活動するテロ組織への支援をやめ、ウラン濃縮を停止しない限り、制裁を継続する」と強調した。

 11月には、第2弾として、イラン産原油の輸出やイランの中央銀行と各国金融機関の取引を禁ずる措置が導入され、イラン核合意によって解除された制裁をすべて再発動させる見通し。日本が求める原油禁輸に関するの適用除外について米政府高官は「個別の要求についての議論には応じる」と述べるにとどめた。

(ワシントン山崎洋介)