敵対関係の劇的変化に成功 S・A・ミラー氏


米朝会談 姉妹紙記者はこう見る

米紙ワシントン・タイムズ・ホワイトハウス担当記者 S・A・ミラー氏

 米朝首脳会談は成功したように見える。ただ、トランプ米大統領が述べたように、これは第一歩にすぎず、やるべき仕事がたくさんある。

S・A・ミラー氏

 トランプ氏は金正恩朝鮮労働党委員長に朝鮮半島の非核化を約束させることに成功した。正恩氏が約束を守るのか、父親のように破るかは、時間が経(た)たなければ分からない。

 現時点では、トランプ氏は米朝関係を劇的に変化させ、約70年間続いてきた対立を冷却化させたように見える。

 共同声明には重要な詳細が欠けている。会談が歴史のターニングポイントになるかどうかは、詳細を詰められるかどうかで決まる。

 ただ、トランプ氏が共同声明で手放したものは何もない。制裁は依然有効だ。韓国との軍事演習の中止に同意したが、必要なら再調整できる。また、安全の保証に同意したが、これは北朝鮮が取引を守るかどうか次第だ。

 北朝鮮が核兵器・施設を放棄するまでトランプ政権が譲歩しなければ、今回の合意は米保守派の支持を得られるだろう。会談が成功と見なされれば、中間選挙で共和党の得点となる。

 ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が交渉から外されたとの報道があるが、事実ではないように見える。ボルトン氏は首脳会談の場におり、米朝高官の会合の席にもいた。ポンペオ国務長官が事前交渉を主導したが、これはボルトン氏が外されたことを意味しない。ボルトン氏はまだ国家安全保障担当補佐官だ。

 会談後の実務者協議で検証など重要な課題で合意できるかは大きな不明点だ。トランプ氏によると、次の協議は来週から始まる。トランプ氏が何度も言うように、いずれ見えてくるだろう。(談)