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行き詰まる米の不法移民政策


前年比203%増加

 越境してくる全不法移民に刑事責任を問うというトランプ政権の「ゼロトレランス(断固とした措置)」政策が行き詰まっている。司法省の処理能力に限界があり、全員を起訴することができないことが一因だ。

 カリフォルニア州の国境警備隊ブルバード支局で拘束された13人の不法移民が11日、収容を拒否された。検察当局が主に人手不足などの理由で受け入れを制限しており、「かなりの数の不法移民が、(起訴を)免れている」(労組・全米国境警備会議のブランドン・ジャッド議長)という。

 セッションズ司法長官は4月、ゼロトレランス政策を発表した。政府が、3月に南西部国境を越えた不法移民が前年比203%増加したと発表した直後のことだ。

 国土安全保障省高官によると、全不法移民を起訴するために拘束、照会しており、課題は、移民への対応で大量の業務を抱え、処理が遅れている司法省にあるという。ジャッド氏によると、トランプ政権発足間もない頃、ゼロトレランス政策を推進、最初の数カ月は順調だったという。

 専門家らによると、移民の減少は、トランプ氏が選挙戦中に厳しい移民政策を取ることを表明していたことが影響したものとみられている。しかし、この数カ月間で状況は変わり、オバマ前政権の最後の2カ月間をしのぐ数にまで急増した。

 ジャッド氏は「議会は、移民法の抜け穴をふさげず、政府機関は、捕まえては逃がすということを終わらせるゼロトレランスを実行できていない」と、議会と政府の対応を非難した。

(ワシントン・タイムズ特約)