キューバ議長にディアスカネル氏


カストロ後の新時代に

 共産党一党独裁が続く、カリブ海のキューバで18日、同国の国会に相当する人民権力全国会議が開会し、国家評議会議長にミゲル・ディアスカネル第1副議長(57)が公式に推薦された。国家評議会議長は国家元首に当たり、同氏は行政府トップの閣僚評議会議長にも就任する。また、会議では、他の国家評議会メンバー30人も推薦された。19日、同氏は国家評議会議長に選出された。

ミゲル・ディアスカネル氏

キューバのミゲル・ディアスカネル氏=2015年6月、ブリュッセル(AFP=時事)

 キューバでは、1959年の「キューバ革命」以後、反米のカリスマ的存在でもあったフィデル・カストロ前国家評議会議長(故人)と弟のラウル・カストロ現国家評議会議長(86)のカストロ兄弟による指導部体制が59年にわたって続いてきた。

 ラウル氏は引退を表明しているが、キューバ共産党のトップ(第1書記)には2021年までとどまることが明らかになっている。また、ディアスカネル氏は、カストロ体制の踏襲を表明しており、新体制になった後も急激な体制の変化は起こらないとみられている。

 ラウル氏は08年にフィデル・カストロ氏の体調不良により体制を引き継いだ際には、国家評議会議長とキューバ共産党第1書記、さらには軍トップの全ての要職を引き継いでいた。

(サンパウロ綾村悟)