米大統領「成果なければ会談せず」


北の非核化条件で難航も

 トランプ米大統領は18日、安倍首相との共同記者会見で、金正恩朝鮮労働党委員長との米朝首脳会談に向け、「うまくいく気がする」と期待感を表明。その一方で、「成果が上がらないと判断すれば、会談しない」と述べ、正恩氏を牽制(けんせい)した。北朝鮮との対話について楽観的な見方を示しつつ、安易に妥協しない姿勢も見せた。

 トランプ氏は「北朝鮮との交渉で米国がこれほど有利な立場に立ったことはない」と強調。これまで米国が主導してきた北朝鮮に対する最大限の圧力によって、米国が主導権を握って北朝鮮との対話を進めることに自信を示した。

 だが、非核化の条件をめぐって交渉が難航することも予想される。正恩氏は3月下旬に中国の習近平国家主席と会談し、非核化に向けた「段階的で歩調を合わせた措置」を求めた。今後、米国に対して核放棄に至らない「凍結」で見返りを求めたり、在韓米軍の撤退などを要求する可能性もある。

 こうした中、トランプ氏は首相との会談で「完全、検証可能、不可逆的な核放棄」が重要との認識で一致。北朝鮮が非核化に向けた具体的な行動を取るまでは最大限の圧力を維持するという原則を改めて確認した。

 また、北朝鮮による日本人拉致問題についてトランプ氏は、「われわれは被害者を日本に連れ戻すためにやれることはすべてやる。そう約束した」と強調。北朝鮮との交渉過程で、拉致問題を重要視することを表明した。

 11月に中間選挙を控えて、米国が日本を置き去りにして北朝鮮に譲歩するのではないかという懸念もある中、トランプ氏は「われわれは日本に対して誠実であり続ける」とも強調した。

(ワシントン山崎洋介)