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米製兵器の売却促進へ新指針


承認手続きを迅速化

 米政府による国外への米国製兵器売却を大幅に増加させる計画の立案が最終段階に差し掛かっている。米政府当局者らが明らかにした。これによって、米軍需企業からの兵器購入を制限されてきた東欧、東南アジアの国々でも、大規模な兵器購入への道が開かれる。

 間もなく公表される兵器売却の政策指針に詳しい当局者が明らかにしたところによると、武器輸出の新規則は2段階から成り、従来の武器輸出のシェアをさらに伸ばすこと、同盟国が、兵器売却に制限を設けていない中国、ロシア、イスラエルなどへ兵器購入先をシフトしないよう対策を講じることを求めているという。

 この当局者は「売却承認手続きに時間がかかると、中国、ロシア、オーストラリア、イスラエルなどに市場を奪われることになる」と指摘、同盟国への承認手続きの迅速化、簡素化を進めることを明らかにした。

 その一方で、軍需企業には、安価で、輸出可能なタイプの兵器の開発で協力していくことを求めている。これによって、政府が兵器の売却を抑制してきた国々への売却の道が開かれると軍需企業筋は述べた。ロッキード・マーチン、ボーイングなどの大手軍需企業はすでに、輸出向けに小型化し、性能を落としたタイプの兵器の製造を開始している。

 トランプ政権が進めている兵器売却への規制緩和は、米政府の「バイ・アメリカ」計画の一環。これは、米国経済の全部門を再活性化させ、貿易赤字を縮小させるというトランプ氏の公約でもある。

 さらに、海外駐在の外交官に、米国製品の購入を呼び掛けることも求めている。カイダナウ国務副次官補が先月のシンガポール国際航空ショーを訪れたのも、アジアへの武器売り込み活動の一環だ。米政府高官が、このような見本市を訪れ、兵器購入を呼び掛けることはまれだという。

 米国製兵器の売却促進は経済的理由からだけではない。米国と同盟国との間の兵器の相互運用性を高めることで、中国、ロシアなどの競合国からの脅威に対抗するためでもある。

 すでに約100カ国が、航空機、艦船などを含む米国製の兵器を使用している。中でも、米国製の攻撃機、精密誘導兵器、ミサイル防衛網は世界でもトップクラスの性能を誇る。相互運用性を高めるために国際共同開発への取り組みも進められており、統合打撃戦闘機F35もその一環だ。

(ワシントン・タイムズ特約)