トランプ氏はレーガン氏以来一番の反共大統領 マリオン・スミス氏


共産主義犠牲者追悼財団事務局長 マリオン・スミス氏

 共産主義の残虐な歴史を後世に伝える活動を行う米非営利組織「共産主義犠牲者追悼財団」のマリオン・スミス事務局長はこのほど、世界日報のインタビューに応じ、「米国第一」主義を掲げるトランプ米大統領は他国の人権問題に関心が薄いと思われることが多いが、共産主義国の人権蹂躙(じゅうりん)を名指しで非難しており、「レーガン元大統領以来では一番の反共大統領だ」と語った。

マリオン・スミス氏

マリオン・スミス氏

 トランプ氏は先月30日の一般教書演説で、北朝鮮で拘束され、帰国直後に死亡した米大学生の家族と、韓国に住む脱北者を招待し、北朝鮮の残忍な政治体制を厳しく批判した。スミス氏は「共産主義独裁体制がもたらす人的犠牲を人々が目の当たりにしたことは極めて重要だ」と高く評価。その上で「自国民を奴隷にし、殺害するような国を核保有国と認めるのは極めて危険だ」と主張した。

 トランプ氏は昨年11月、1917年のロシア革命から100年を受け、全世界で1億人を超えると推定される共産主義の犠牲者を追悼する「全米共産主義犠牲者の日」を宣布。これについて、スミス氏は「米大統領が全世界の共産主義犠牲者の追悼に捧(ささ)げる日を宣布したのは初めてのことだ」と称賛した。

 トランプ氏がこの日発表した声明は、既に亡くなった犠牲者だけでなく、「共産主義の下で苦しみ続けるすべての人々」にも言及しており、スミス氏は「中国や北朝鮮、ベトナム、ラオスなど現共産主義国を念頭に置いたものだ」と指摘。特に、声明の発表がトランプ氏の訪中直前のタイミングとなり、「米国が共産主義をどう見ているかを公式に示す強力な声明になった」と強調した。

 スミス氏は、中国について「おそらく歴史上、最も強力な共産主義国だ」と強く警戒。米政府はノーベル平和賞受賞者・劉暁波氏の妻の即時解放を要求するなど、人権侵害の具体的な事例で中国に圧力をかけていく必要があると主張した。

(ワシントン早川俊行)