ローマ法王、機上で「サプライズ結婚式」


 南米のチリとペルーを歴訪中のフランシスコ・ローマ法王が18日、チリの首都サンチアゴから北部イキケに向かう移動中のチャーター機内において、客室乗務員カップルの結婚式を執り行った。

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移動中の機内で乗務員カップルの結婚式を執り行うローマ法王 バチカン・メディア提供

 法王によって直接結婚式を執り行われるという名誉を受けたのは、LATAM航空に勤務するカルロス・シウファルディさん(41)と新婦のパウラ・ポデストさん(39)。2人は、2010年2月にサンティアゴ市内の教会で結婚式を予定していたが、式当日にマグニチュード(M)8・8の大地震がチリ中部を直撃、式を挙げる予定だった教会が崩壊したために式は中止となっていた。2人はその後、婚姻届だけ出していたが、カトリック教徒として教会での結婚式は挙げていなかった。

 法王がチャーター機の乗務員たちとの記念撮影に応じた際、2人に結婚しているかどうか質問、カルロスさんが当時の事情を説明したところ、「では、今ここで結婚式をしましょう」と提案。カルロスさんとパウラさんの同意のもとに、航空会社の最高幹部を立会人として法王自らが即席の結婚式を執り行った。

 式後、カルロスさんは「法王に直接結婚式を挙げていただけるなど想像もしなかった。機上で法王に祝福された初めてのカップルなのではないでしょうか」と感謝の言葉を述べた。

 法王は、2人がはめていた結婚指輪を祝福すると同時に、即席に作られた結婚証明書にも、両人や立会人と共に署名した。ローマ法王庁は、今回の結婚式が正式なものであることを認めているという。

(サンパウロ綾村悟)