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米の対中政策、強硬路線に バノン氏


トランプ氏の元側近 バノン氏、都内で講演

 トランプ米政権で「影の大統領」と呼ばれ、今も米政界に大きな影響力を持つスティーブ・バノン前大統領首席戦略官・上級顧問が17日、都内で講演した。バノン氏は、トランプ大統領が18日に発表する予定の新たな国家安全保障戦略について「中国を主要な戦略的競争相手と位置付けるだろう」と指摘し、トランプ政権は今後、対中政策で強硬路線に転じるとの見方を示した。

スティーブ・バノン氏

都内で講演するスティーブ・バノン氏(森啓造撮影)

 バノン氏によると、トランプ氏は中国の習近平主席とオープンな対話を続けてきたが、成果が上がらないことに不満を募らせているという。米国の歴代政権は安全保障面で中国を警戒する一方で、経済面では協調を重視してきたが、トランプ政権は今後、経済問題を安全保障に結び付けていく見通しで、バノン氏は「米国の死活的に重要な国益を積極的に守っていくという根本的な政策転換だ」と高く評価した。

 中国が進める「一帯一路」構想について、バノン氏はマッキンダー、マハン、スパイクマンの三つの地政学理論を統合したものであり、「これを完成させたら、中国は覇権国となる」と強い警戒感を示した。

 台頭する新興国と衰退する覇権国は戦争に陥りやすいことを歴史的に分析したグレアム・アリソン・ハーバード大教授の「トゥキディデスの罠(わな)」が注目を集めているが、バノン氏は「米国の衰退が運命付けられているわけではない」と主張。「メーク・アメリカ・グレート・アゲイン(米国を再び偉大にする)」を掲げるトランプ氏が当選したことは、米国の衰退を不可避と見なすエリート層に対する庶民の反逆だと訴えた。

 また、トランプ氏批判を続ける既存の大手メディアを「フェイク(偽)ニュース」だと改めて批判。講演前の記者会見では、大手メディアが主導する反トランプ運動に対し、「私が保証する。トランプ氏をホワイトハウスから排除しようとしても失敗する」と断言した。