米軍需企業の買収進める中国


投資の監視強化へ法案

 中国が密(ひそ)かに米国の軍事技術関連企業の買収を進めているとして、外国企業による米国への投資の監視を強化することが連邦議会で検討されている。

 共和党のピッテンジャー下院議員は先月、外国投資リスク評価近代化法案を提出した。同氏はワシントン・タイムズ紙に対し、「中国は、米国の重要な技術、情報の獲得を狙っている。これを止めなければならない」と述べ、中国企業による米国への侵入に警鐘を鳴らした。

 この法案は、外国企業による企業買収が米国の安全保障の脅威とならないかを検証する唯一の政府機関「対米外国投資委員会(CFIUS)」の権限を拡大するもの。共和党のクローニン上院議員も同様の法案を提出しており、党内からだけでなく、ファインスタイン上院議員ら、民主党の有力議員からも支持を得ている。

 ピッテンジャー氏は先月、「中国は驚くほどのペースで米企業買収を進めている。合法的な投資もあるが、多くは感知されないよう密かに進められ、米国の安全保障を損ねるものだ」と指摘するとともに、中国が最近、ダミー会社を使って、ミサイル防衛機器を供給する企業を買収しようとしていたことを明らかにした。

 ピッテンジャー議員事務所によると、中国の米国への投資は2010年から16年の間に10倍以上に増加、その一部は、中国系企業を米国経済の奥深くに入り込ませて、米国の技術を盗み出すという中国政府の戦略に沿って進められているという。

 さらに中国は「投資を武器に、米国の国家安全保障の弱点に付け込み」、秘密取引で軍事転用可能な技術を盗み出しているという。

(ワシントン・タイムズ特約)