極左アンチファ台頭に懸念


表現の自由を軽視

 全米で反ネオナチ感情が高まる一方で、バージニア州シャーロッツビルでの右派集会で白人至上主義者らと対峙した覆面姿の極左勢力「アンチファ」の台頭が懸念されている。

 ダートマス大学ジェンダー研究所の客員研究員で、「アンチファ―反ファシスト・ハンドブック」の著者マーク・ブレイ氏はアンチファについて、脅迫、暴力で「ファシスト」を封じ込めることを目指しており、「無政府主義者、共産主義者、社会主義者、革命論者らであり、基本的に法を尊重しない」と指摘した。

 アンチファについては、表現・宗教の自由などをうたった憲法修正第1条を軽視し、暴徒を動員し、「ヤジで相手を黙らせる」という点でファシストと変わらないという批判がある。「アンチ・ファシズム」を略したもので、ナチズムと人種差別主義に対抗することを標榜(ひょうぼう)しているが、憲法修正第1条を支持しているわけではない。第2次大戦前の欧州にルーツを持つアンチファの基本的な指針は、「ファシスト」が政府や社会に根を張り、第2のナチスドイツ誕生を阻止することだ。

 保守系弁護士のマーク・プリアム氏は「いわゆるアンティファは、話し合いに応じる善意の第三者などではない。…修正第1条は、対話と、『思想の自由市場』を守るためのものであり、他者を圧倒するために一方に武器を提供するためののもではない」と主張した。

 リベラル派の南部貧困法律センターのリチャード・コーエン所長もNBCテレビの番組で20日、「修正第1条に記された米国の価値観とは相いれない」とアンチファの台頭に警鐘を鳴らした。

(ワシントン・タイムズ特約)