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米民主党大会、LGBT権利拡大が前面に


10年余りで価値観急激に変化

 米民主党は当地で開催中の全国大会で、同性愛者など性的少数者(LGBT)の権利拡大を前面に押し出している。大会で採択された党綱領は、昨年の連邦最高裁判決で同性婚が全米で合法化されたことを称賛。綱領で男女間の伝統的な結婚の枠組みを明確に支持していた2004年と比べ、民主党の価値観がこの10年余りで急激に世俗化・左傾化したことを物語るものだ。

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26日、米フィラデルフィア市内で開かれた「民主党LGBTコーカス」でスピーチする元プロバスケットボール選手のジェイソン・コリンズ氏(右)=早川俊行撮影

 「世界で“ゲイエスト”な政治集会だ」。26日、フィラデルフィア市内で開かれた「民主党LGBTコーカス」のアール・フォークス議長は、興奮気味にこう語った。ゲイを最上級にした“ゲイエスト”という造語を用い、今回の民主党大会が他に例を見ないほど同性愛者に寛容な政治イベントだと絶賛したのだ。

 米政治専門誌コングレッショナル・クオータリーによると、党大会に参加する各州の代議員のうちLGBTが占める割合は、2008年が5・8%、12年が7・8%と増加傾向にあり、今回さらにこれを更新するとみられている。実際、党大会ではLGBTを象徴するレインボーのバッジなどを身に着けた代議員の姿が目立つ。LGBTの権利拡大は今や民主党の看板政策の一つと言っても過言ではない。

 民主党内でLGBT勢力が盛り上がっているのは、大統領候補に正式指名されたヒラリー・クリントン前国務長官がオバマ大統領と同様にLGBT擁護に極めて熱心だからだ。国務長官時代、国際的なLGBT擁護を「米外交の優先課題」に位置付けて取り組んだ経緯がある。

 数年前に同性愛者であることを公表して注目を集めた元プロバスケットボール選手、ジェイソン・コリンズ氏は、LGBTコーカスでの演説で「クリントン氏はLGBTコミュニティーの同盟者だ。彼女が大統領になれば、オバマ大統領と同じようにホワイトハウスに友人を持つことになる」と強調した。

 民主党がLGBTの権利拡大を前面に押し出すのは、多様で開かれた政党のイメージをアピールできるとともに、共和党への攻撃材料にもなるからだ。米国民の多くが同性婚に反対していた時代は、共和党が民主党を攻撃する立場にあったが、同性婚が合法化され、国民の抵抗感も薄れてきた今、攻守が完全に入れ替わってしまっている。

 民主党大会で、特に攻撃の標的となっているのが、同性婚合法化で脅かされる信教の自由を守ろうとした共和党の副大統領候補マイク・ペンス・インディアナ州知事だ。大会初日に演説した民主党の有力者エリザベス・ウォーレン上院議員は、ペンス氏を「同性愛者への差別を合法化しようとしたことで有名」と批判した。

(フィラデルフィア早川俊行)