トランプ・チルドレン、父親のイメージ改善に一役


2016米大統領選

 米共和党の大統領候補に指名された実業家ドナルド・トランプ氏にとって、「秘密兵器」(米メディア)の存在となっているのが子供たちだ。美男美女ぞろいの「トランプ・チルドレン」は、父親と違い上品で好感度が高い。共和党大会でトランプ氏が「良き父親」であることを強くアピールするなど、暴言を繰り返す同氏のイメージ改善に欠かせない役割を果たしている。

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18日、米オハイオ州クリーブランドで開幕した共和党全国大会=早川俊行撮影

 トランプ氏には3人の女性との間に5人の子供がいる。中でも最初の妻との間に生まれた長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏(38)、長女イヴァンカ・トランプ氏(34)、次男エリック・トランプ氏(32)の3人は、それぞれ「トランプ・オーガナイゼーション」の執行副社長として父親のビジネスを支えるとともに、大統領選でも「選挙参謀」(エリック氏)として大きな役割を果たしている。

 党大会2日目の19日に演説した長男ジュニア氏は、「ビジネスで私は父から明日をより良い未来にするために今日難しい投資、決断をするように訓練された」と強調。「われわれは不可能なことを成し遂げた実績を持つ人物を選ぶ必要がある」と述べ、トランプ氏は大統領にふさわしいとアピールした。

 2番目の妻との間に生まれ、ファッションモデルで歌手でもある次女ティファニー・トランプ氏(22)も、「父は私に全力で取り組むやる気を起こさせてくれる。人々の才能を引き出すのが父の偉大な資質だ」と語った。

 トランプ・チルドレンの中でも選挙運動に最も関与しているのが、元モデルでユダヤ系大富豪の御曹司を夫に持つ長女イヴァンカ氏だ。党内から「トランプ氏の最良の副大統領候補はイヴァンカ氏だろう」(ボブ・コーカー上院議員)というジョークが出るほど、イヴァンカ氏に対するトランプ氏の信頼は厚く、選対本部長の解任や副大統領候補選びにも関わったとされる。

 イヴァンカ氏はトランプ氏が指名受諾演説を行う党大会最終日の21日に登壇する予定。次男エリック氏も20日に演説する。

(クリーブランド(米オハイオ州)早川俊行)