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露、極超音速ミサイルを試射


米との兵器開発競争に拍車

 ロシアのプーチン大統領は26日、核搭載極超音速ミサイルを間もなく配備すると発表した。既存のミサイル防衛網では迎撃できず、激化する米国とのハイテク兵器開発競争にさらに拍車が掛かる可能性がある。

 ロシア政府は26日、長距離極超音速ミサイル「アバンガルド」の開発を進めていることを公表。プーチン氏は、音の20倍の速度で飛行し、既存の防衛システムを無力にするミサイルの試験発射に成功したと述べた。

 現在、このようなミサイルを保有している国はなく、米国と中国が開発を進めている。極超音速ミサイルを迎撃できる防衛システムの開発に成功している国も今のところない。

 ハイテン米戦略軍司令官は3月、上院軍事委員会で、「このような兵器が配備されても、対抗するいかなる手段も持っていない」と、極超音速兵器に対して無力であることを明確にしている。

 マティス米国防長官は今月に入って、「次世代」のミサイル防衛システムの開発に取り組んでいることを明らかにしたものの、ロシアの試射成功発表で、早急に対応が迫られることになりそうだ。

 プーチン氏は、「2019年、ロシア軍はこの新型の大陸間戦略システム、アバンガルドを手にする」と、来年中の配備を発表、ロシアが軍事的優位に立つことになると主張した。

 ロシアは先月、クリミア半島近海のケルチ海峡でウクライナ軍の艦艇を拿捕、両国の間で緊張が高まった。またシリアでも影響力を強化、トランプ大統領がシリアからの米軍撤収を表明したことで、ロシアの中東での影響力がいっそう強まるとみられている。

 アバンガルドが配備されれば、冷戦中のような米露間の兵器開発競争が激化する可能性もあると指摘されている。トランプ政権は、中距離核戦力(INF)全廃条約の破棄の意向を表明、アバンガルドは射程が長く、INF条約の対象とはならない。

 軍事専門家らは、これらの兵器が他国の手に渡る可能性を指摘、米シンクタンク、ランド研究所は昨年公表した報告で「拡散すれば、大きな脅威となる可能性が高く、米中露は拡散防止のためのガイドラインを作成することが不可避となる」と警告している。

(ワシントン・タイムズ特約)