エジプトで改憲めぐる国民投票始まる


大統領任期延長など問う

 大統領の任期延長などを盛り込んだ憲法改正の是非を問う国民投票が20日、エジプト全土で始まった。有権者数は約6100万人。中央投票所と地方投票所を合わせ、2万4797カ所で投票が行われる。投票期間は22日までの3日間。過半数が賛成すれば、現職のシシ大統領(64)は最長2030年まで大統領職を維持できることになる。

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20日、カイロ市マーディの小学校に設けられた投票所で投票する有権者。投票を終えると指に赤インクをつける(鈴木眞吉撮影)

 改憲では、大統領の任期を現在の2期8年から2期12年に延ばすことをはじめ、副大統領と上院の新設(現在は一院制)や、大統領に検事総長や最高裁長官などの任命権を付与すること、軍の役割強化なども含まれる。女性の議席数を少なくとも全体の4分の1以上とすることも盛り込まれている。

 上院の議席数は180。3分の2は国民によって選ばれ、3分の1は大統領が指名する。賛成票を投じたという首都カイロの貿易業者アラ・アエズさんは、貿易業務を発展させるには、投資を呼び込む必要があり、治安の安定が絶対条件だと強調した。

(カイロ 鈴木眞吉)