トルコ統一地方選、エルドアン政権に打撃


首都アンカラ市長選で与党敗北

 トルコで3月31日に行われた統一地方選の投開票が行われた。首都アンカラの市長選では、中道左派の最大野党、共和人民党(CHP)のヤワシュ候補が当選。エルドアン大統領率いるイスラム系政権与党、公正発展党(AKP)は、長年守ってきたポストを失った。

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 同国最大の商業都市イスタンブールの市長選でも、CHPのイマモール候補が、大統領に近いAKPのユルドゥルム元首相をわずかながらリードしている。

 全国的にはAKPなど与党側が優勢とされるものの、新大統領制導入後の初の選挙で、エルドアン氏がかつて市長を務めたイスタンブールで敗北し、首都でもリードを許していることは、エルドアン氏の影響力低下を示し、政権にとって打撃だ。

 エルドアン氏とAKPは、トルコ独立の父、ケマル・アタチュルクが掲げた国是「世俗主義」から「イスラム主義」に舵(かじ)を切り、16年にわたり政権の座を維持してきた。2017年の改憲では、新大統領制を導入、大統領に実権を集中させることにも成功したが、対米関係悪化を契機に昨年8月に通貨危機が発生、景気が後退し、政権側に逆風が吹いていた。

(カイロ鈴木眞吉)