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エジプト大統領選、シシ大統領が再選


9割強の得票

 エジプト大統領選の投票は28日夜に終了し、国営メディアは29日、シシ大統領(63)が再選を果たしたと報じた。マスリ・アル・ヨウム紙の同日午前の開票速報によると、開票率40%段階でシシ氏は2300万票で得票率は約92%、対立候補のムーサ・ガッド党党首(65)の得票率は約3%であることから、シシ氏圧勝の情勢だ。結果は4月2日に正式発表される。

シシ氏

シシ大統領(AFP 時事)

 前回2014年大統領選のシシ氏の得票率は97%だったが、シシ政権は今回の選挙で、得票率はもとより前回47・5%だった投票率をいかに引き上げるかに腐心した。官公庁や国営企業には、必ず投票に行くよう関係者からの命令があり、行かなければ罰金500ポンド(約3000円)が科せられるという。

 これまでも同様な命令が出されたが、罰金まで示されたのは今回が初めて。あるマスコミ関係者によると、罰金は公務員は給料から引かれ、その他はIDカードか運転免許証の更新時に引かれるという。

 投票促進策の一環として、投票所入り口に大スピーカーが設置され、有権者がやって来ると、調子のよい新ナショナルソングが流れ、若者や婦人たちが踊りだしてその場をお祭り気分にさせている。

 一方、エジプトでは経済政策に対する不満がくすぶっていた。固定相場制を変動相場制に移行したことにより、エジプトポンドの価値がほぼ3分の1に急落。「中間所得層が貧困層に転落した」などとの批判が乱れ飛ぶ中、一部の国民には生活危機が押し寄せることもあった。

 だが、変動相場制について「抜本的に改革したことは将来のために良かった」と評価する国民もいる。

 また、周辺国が内戦や治安不安に陥る中、イスラム過激派によるテロは断続的にあるものの、基本的な治安を維持し続けている現政権に対する支持は固い。

(カイロ鈴木眞吉)