IS掃討作戦、北部タルアファルへ


イラク軍と有志連合

 イラク軍と米軍主導の有志連合は、過激派組織「イスラム国」(IS)からの北部モスル奪還で勝利を収め、国内の他の地域を依然支配するIS殲滅(せんめつ)へ、イラク軍とともに戦術の移行を進めている。

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「イスラム国」(IS)との戦闘で破壊されたイラク北部モスル市街=10日、UPI

 IS最大の拠点モスル奪還は、イラク軍、クルド人勢力、イランの支援を受けたシーア派民兵らにとって、戦略的、象徴的な勝利となった。しかし、イラク軍と米軍は、北部ハウィジャ、西部のアンバル州などに散らばるIS戦闘員らとの戦いでは、モスルでのような市街戦から戦術を変える必要があるという。

 イラク北部に駐留する米軍軍事顧問団のパット・ワーク指揮官は21日、イラクの首都バグダッドから行ったブリーフィングで「現在、移行を進めている。難しい作業であり、まだすべきことがたくさん残っている。イラク政府がどのような判断をしようと、米軍はそれを支援する」と戦術の移行を進めていることを明らかにした。

 モスルでは現在、イラク軍と有志連合がISが残した仕掛け爆弾の撤去作業を進めている。その一方で、戦闘の焦点は、ISが支配する北部タルアファルに移行。シーア派民兵組織「人民動員軍(PMF)」が迫っている。

 ハウィジャやアンバル州は人口密度が低く、戦闘員らが移動しやすいため、さらに戦術の変更が必要となる。米軍の増派が必要となる可能性も指摘されていることについて、有志連合のタウンセンド司令官は「現在の兵力で、今後のタルアファル、ハウィジャなどの地域への攻撃を支援するには十分だ」と増派の観測を否定した。

(ワシントン・タイムズ特約)