拒否されるシリア和平会議


渥美 堅持

強硬な国内アラブ勢力

東京国際大学名誉教授 渥美 堅持

 民主主義を謳う思想もなく、自由を求める秩序もなく、集団をまとめる指導者も、そして運動を管理する組織もない中で始まった騒乱が、老醜の大統領の追放という決断を大統領周辺に与えて始まったアラブの春という現象は、3年を終えようとしている。しかし、その実態は民主主義と自由に満ち溢れ、憧れた個人主義に酔いしれるような世界ではなく、経済環境の悪化が一段と進み、老醜ゆえに決断力を失った前大統領の時代を懐かしむ声が、時には混乱の中で、時には流血の悲劇の中で聞こえている。


...【全文を読む】
記事の全文をご覧になるには会員登録が必要です。
新規会員登録へ
ログインへ