文大統領の胸に北朝鮮国旗


韓国テレビに抗議殺到

 韓国のニュース専門ケーブルテレビ「聨合ニュースTV」は10日午後、翌日(日本時間)からワシントンで行われる米韓首脳会談の見通しを伝える際、アナウンサー後方の背景モニターに映し出された韓国の文在寅大統領の胸の位置に、誤って北朝鮮の国旗である共和国旗を表示した。視聴者などから問い合わせや抗議が殺到するなど波紋が広がり、同テレビは報道局長ら編集幹部2人を懲戒処分にする事態となった。

聨合ニュースTV

10日、文大統領の胸に北朝鮮国旗を表示した聨合ニュースTV(同テレビのキャプチャー画面)

 同テレビはトランプ米大統領と文大統領の写真を並べ、それぞれの胸に星条旗(米国旗)と太極旗(大韓民国旗)を表示する予定だった。同テレビ関係者は背景モニター作成の意図について韓国メディアの取材に「文大統領の訪米は米朝対話を再開させる仲介役をするためという点を強調しようと制作された」と答えたという。

 これまで米朝対話をめぐる文大統領の姿勢には「北朝鮮寄り」の言動が目立ち、国内保守派から批判が上がっていた。今回の放送事故は制作陣の単純なミスだが、文大統領の日ごろの親北朝鮮ぶりが引き起こさせたとの見方も出ている。

 韓国では北朝鮮国旗を公共の場で掲揚した場合、国家保安法違反に問われるが、最近は南北融和ムードに乗じて北朝鮮国旗を堂々と掲げて集会をしても取り締まりを受けないケースが発生している。

(ソウル 上田勇実)