岐路に立つ韓国経済、既存政策に拘る文政権


韓国紙セゲイルボ

 最近、米国と中国は貿易戦争を交渉で解決しようとする動きを見せている。だがこれは両国が自国の被害を防ぐための一時的な収拾にすぎず、先端技術と経済覇権をめぐる貿易戦争を終わらせるものではない。

 構造的に両国の間に挟まれた韓国経済は打撃が大きくならざるを得ない。経済成長率に占める割合が70%に肉迫する輸出産業がすでに国際競争力を失っている。同時に内需は家計負債の増加と零細企業の崩壊によって瀕死(ひんし)の状態だ。失業と負債の経済難が限界状況に迫る中、内外の悪材料に直面し経済の前途が見通せない。

 韓国経済は生死の岐路に立っている。未来産業を先取りすれば第2の跳躍も可能だが、産業崩壊を放置して短期的な対応に汲々(きゅうきゅう)とすれば下落の運命に陥る。

 韓国経済は無謀な所得主導の成長に1年半を浪費した。昨年末、文在寅大統領は拡大経済長官会議を主宰して最低賃金引き上げ、労働時間短縮のような経済政策は国民の共感の中で推進することが重要だと語り、所得主導の成長の補完を示唆した。新年になり、文大統領は記者会見で、経済状況が厳しいと診断し、成長を続けるために追撃型経済を先導型に変えて新しい価値を創造し市場を導く革新が必要だと強調した。

 しかし、政府はまだ週休時間を算定時間に含めて、実質的に最低賃金を1時間1万ウォン以上に上げるなど既存政策に拘(こだわ)っている。韓国経済に残された時間はない。政府は果敢に既存の政策を変えて、新しい成長の道を開くべきだ。

(李弼商(イピルサン)元高麗大総長、1月21日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。