輸出先多角化など米中為替戦争へ対策急げ


韓国紙セゲイルボ

 米中間の為替戦争は対中輸出依存度が高い韓国経済に大きな打撃を与えることが憂慮され、政策当局は至急、対応策を用意すべきだ。

 まず、為替主権を守ること。米国は対米黒字国に対して為替レート引き下げか、追加関税の一つを選択することを要求している。しかし為替主権を放棄すれば、深刻な費用を払うことになる。日本は1985年のプラザ合意で為替レートの引き下げを選択し、20年間の景気低迷を体験した。政策当局は行き過ぎた為替レートの引き下げを警戒すべきだ。

 次に、対中輸出減少による景気低迷への積極対応だ。米中間の為替戦争は中国経済に大きな打撃を与える。中国全体の輸出の19%を占める対米輸出が減少する場合、中国経済は成長率が大きく鈍化するだろう。中国の景気低迷は韓国経済をより一層難しくさせる。追加的な景気低迷はもちろん為替レートと株価など金融市場にも大きな衝撃を与える可能性が高いためだ。

 このような副作用を防ぐためには中国偏重の輸出先を多角化し、同時に輸出企業を重要視して、輸出増加を図る。企業の投資意欲を高め、投資を活性化することも必要だ。内需では消費は増える可能性が少なく、政府支出も財政赤字を考慮すれば大幅に増やすのは容易でない。今は企業投資だけが雇用をつくり景気を浮揚させる唯一の活路だ。

 米中間の為替戦争は持続する可能性が高い。中国との政治的覇権競争とも関連があるためだ。通商戦争に続き為替戦争まで津波のように押し寄せる対外的な衝撃に積極的に対応する時、私たちの経済は危機を避けることができる。

(金正湜(キムジョンシク)延世大教授、7月25日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。