米朝首脳間を橋渡しした文大統領


韓国紙セゲイルボ

対話要求メッセージに評価

 中止が危ぶまれていた朝米首脳会談が起死回生の流れを見せた過程で、関連国首脳間の疎通が功を奏したという評価が出ている。

金正恩氏(右)文在寅氏

6日午後、板門店の北朝鮮側施設「統一閣」で握手する金正恩朝鮮労働党委員長(右)と韓国の文在寅大統領(韓国大統領府提供・時事)

 朝米首脳会談の開催が二転して、行われる方向で事態が動いているが、その過程で韓国の文在寅大統領の「首脳間のより直接的で緊密な対話で解決していくことを期待する」という“首脳間対話要求”メッセージが一定部分、影響を与えたのではないかという評価が出ている。

 朝米首脳会談の成功のため、4月27日の南北首脳会談後、文大統領はワシントンに飛び、トランプ大統領に金正恩労働党委員長の“本音”を説明、朝米間の張り詰めた気流を和らげるのに注力した。

 その後、金委員長と2度目の板門店会談を行って、トランプ大統領の意中を伝え、北朝鮮と米国の会談はもちろん、その後の南北米終戦宣言に対する期待値まで引き上げた。

 文大統領はそうした後、この第2回南北首脳会談の結果を直ちにトランプ大統領と共有した。

 もちろん韓米または南北間首脳会談の結果や、各国首脳の意中を下位段階へ伝達して共有するシステムが構築されてはいるが、メッセージが迅速で正確に伝えられるためには、首脳間の疎通に勝るものはないということだ。

 合わせて、すでに金委員長と“ホットライン”を構築した文大統領は27日の記者会見で、朝米首脳の間にもホットラインを構築する必要性があると指摘した。

 南北間には首脳を含んだ各級ホットラインが構築されているので、誤解と不通による緊張が高まる局面でも、難なく事態を転換できたというのが文大統領の判断から読み取れる点だ。

 朝米首脳間の橋渡し役を忠実に行ったと評価される5月26日の南北首脳会談も「徐勲(韓国国家情報院院長)―金英哲(朝鮮労働党副委員長兼統一戦線部長)ライン」の疎通過程で成し遂げることができた。

 朝米首脳間のホットラインが設置されれば、今後どれくらい時間が必要とされるか分からない非核化過程での突発的状況に、緩衝装置として役割を果たせるとの分析も出てくる。

(聯合、5月28日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。