韓国でも吹き荒れる「ミー・トゥー」運動


韓国紙セゲイルボ

 いま大韓民国に「ミー・トゥー」運動が吹き荒れている。「私も(性暴行・セクハラ)された」という意味の「ミー・トゥー」運動は政界と芸術界を揺さぶっている。

 安熙正(アンヒジョン)忠南知事が辞任し、教科書に載るほどの芸術家である高銀(コウン)、李潤澤(イユンテク)、呉泰錫(オテソク)も教科書から削除されるという。彼らは全員左派芸術家だ。

 ミー・トゥー運動は昨年10月、米国で大物映画製作者ハーベイ・ワインスタインの性暴行とセクハラを非難するためにソーシャルメディアで世界的に広がったものだ。

 資本主義か社会主義かに関係なくこの問題が広がったが、韓国では世界で唯一、左派陣営でミー・トゥー風が激しく吹いている点が注目される。

 社会主義運動史を見れば民衆運動と女性運動は表裏一体だった。ブルジョアに対するプロレタリアの立場は男性に対する女性の立場と同じであるためだ。全体主義的指向の左派運動圏は性的なことまでも運動の道具とする。ミー・トゥー運動はこのような左派内部の偽りと偽善を暴露している。

 韓国のミー・トゥー運動は政治・宗教界を超えて、大学教授と学生の間に広まっている。この運動に最も脆弱(ぜいじゃく)な芸術界は戦々恐々だ。

 女性時代を控えて、家父長・国家社会の権力と性の偽りと偽善が世界を沸き立たせている。

(朴正鎮(パクジョンジン)平和研究所長・文化評論家、3月13日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。