北朝鮮訪韓団 「陰の最高幹部」が随行


南北首脳会談へ顔つなぎ?

 韓国の平昌冬季五輪に合わせ訪韓した金正恩・朝鮮労働党委員長の妹、金与正(キムヨジョン)・党中央委員会第1副部長の一行に金委員長の事実上の秘書室長を務め与正氏にも近い金昌善(キムチャンソン)・書記室長が随行していたことが明らかになり、関心を集めている。青瓦台(大統領府)は名簿にその名を載せていなかったといい、文在寅政権が南北首脳会談を念頭に密(ひそ)かに顔つなぎをしようとしていたのではないかとする見方も出ている。

金チャンソン

金チャンソン書記室長(提供=藤本氏訪朝関係者)

 金昌善氏は10日、与正氏一行が文大統領と面会するため青瓦台を訪れた際などに韓国メディアが捉えた映像に映っていた。映像からは至る所で与正氏に密着するように随行している姿が確認できる。

 当初、青瓦台は記者団に渡した参加者名簿に金氏の名前を載せておらず、メディア各社は金氏を名簿に載っている「リ・テッコン」という別人と取り違えていた。金氏の存在に気付いたテレビ視聴者の情報提供が発端となり、一部メディアが同日夕、金氏随行の事実を報じた。

 金氏は金日成主席、金正日総書記にも仕えた「権力内部に精通する陰の最高幹部」(北朝鮮情報筋)。金委員長が文大統領に呼び掛けた南北首脳会談の実現に向け、韓国側にカウンターパートとしての存在感を示す狙いもあったとみられる。

 金氏は金総書記の元専属料理人だった藤本健二(仮名)氏が2016年4月に訪朝した際、長時間を共にし話し込んだ人物としても知られる。

 韓国では与正氏が文大統領に首脳会談を呼び掛ける金委員長の意向を伝えて以降、北朝鮮に派遣する韓国側特使の人選や時期が取り沙汰されている。