韓国への侮り見えた文大統領の中国訪問


韓国紙セゲイルボ

 文在寅大統領の初めての中国国賓訪問は冷え込んでいた韓中関係を溶かすための呼び水という象徴的意味にもかかわらず、具体的な成果はなかった。北核問題が急変する最近の状況に鑑みれば、合意は原則を再確認する水準を超えるものではなかった。

習近平氏(左)と文在寅氏

14日、北京の人民大会堂で開かれた歓迎式典で並んで歩く中国の習近平国家主席(左)と韓国の文在寅大統領(AFP=時事)

 北朝鮮は火星15型大陸間弾道ミサイル実験を完成させ、核保有国として振る舞おうとしている。もし北朝鮮が中国の戦略的曖昧さと米中対立の隙間で時間を稼ぎ、核武力だけでなく核兵器の実戦配備を宣言し、その証拠を示した瞬間、朝鮮半島の状況は一変し、一寸先も見えなくなる。

 そうした中、韓中首脳会談は“様子見”だけで終わった。中国による儀式上の冷遇やメディアの薄い関心、中国警護員による韓国取材記者への暴行事件などは、中国政府の韓国への侮りを見せるものだった。

 それでも中国は文大統領訪中を契機に、韓国との関係改善にはある程度呼応したが、まだサード(高高度防衛ミサイル)を問題視している。首脳会談でも習近平国家主席は「(サード問題を)韓国が適切に処理することを希望する」と再度言及。これほどになれば希望でなく、もはや執着だ。

 韓国と中国が互いに空回りする感じの修辞的協力関係を越えて、北核問題解決と両国の共同利益追求のための真の戦略的協力パートナー関係に進むためには何よりお互いに対する理解と信頼が必須である。

(呉承烈(オスンニョル)韓国外国語大教授・中国学、12月16日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。