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政府の均衡外交と新南方政策


韓国紙セゲイルボ

似た境遇の核心中堅国と協力を

 北核脅威が持続している現時点で韓国外交はどこに向かっているのか。中国のサード(高高度防衛ミサイル)配備に対抗する経済報復を解消するため、サード追加配備、米国ミサイル防衛(MD)体系編入、韓米日軍事同盟を推進しないという「三不要求」を受け入れ、中国の顔色を窺(うかが)った文在寅政府が最近、均衡外交を言い出した。米中の間でどちらか一方だけに偏ってはならないということだ。

文在寅氏(左)習近平氏

7月6日、ベルリンのホテルで握手する韓国の文在寅大統領(左)と中国の習近平国家主席(EPA時事)

 以前の政府は4強外交、国連外交の枠を抜け出す必要性を感じて「新アジア外交」「中堅国外交」を標榜(ひょうぼう)し、韓国外交の地平を広げようとしたこともあった。だが、そうした努力はスローガンにすぎず、強力な意思もなく、人的・物的外交資源の裏づけもなく、成功的に持続するはずがなかった。

 以前、政府は文大統領のベトナム訪問時、「新南方政策」の推進を説明し、米中中心の外交にだけ重点を置かずに、ユーラシア新北方と東南アジア新南方外交を拡大して、外交の均衡を成し遂げると主張した。今回こそ、この新南方政策の発表が首脳会談のために企画される一回性の外交行事として終わらないよう期待する。

 事実、大多数のアジア・太平洋地域の国家は韓国と似た安保脅威に直面しており、ややもすれば米中間の顔色窺い外交に陥りやすい。中国の経済的急成長で大多数の国家で対中国貿易依存度が極度に高まった。これは国家経済の助けにはなるだろうが、中国の経済的圧迫に晒(さら)される危険も甘受しなければならない。

 中国周辺国は中国の軍事力増強、南シナ海外交に萎縮している。そのため中国との経済協力を持続するものの、経済多角化を追求しつつ、その一方で米国との安保協力を増進しようとしている。韓国と似た境遇にある幾つかの核心中堅国が志を同じくしながら、特定イシューで協力体制を組めれば、顔色窺い外交の心配を解消できるだろう。

 韓米同盟に立った国家安保優先主義が韓国の安保大戦略であり、韓半島安保のためにならば、サードよりさらに敏感な兵器を導入することになるかもしれないということを中国に悟らせなければならない。

 自由貿易に立った経済的国益追求が経済大戦略である。インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム政府が韓国と志を同じくしながら、中国の攻勢外交、米国の保護貿易回帰、北核脅威が地域安定を深刻に脅かす核心要因であることを指摘できるように、外交リーダーシップを発揮しなければならない。これが韓国外交が進む方向である。

(金宇祥(キムウサン)延世大教授、12月4日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。