「三不」で韓中関係修復


韓国紙セゲイルボ

米朝対話支援に最善尽くせ

 ベトナムのダナンで開かれていたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の場で文在寅(ムンジェイン)大統領と習近平国家主席による韓中首脳会談が行われた。7月にハンブルグで会ってから2度目の首脳会談だ。

 今回はサード(高高度防衛ミサイル)配備以後、行き詰まっていた韓中関係の本格的修復を知らせる信号弾となった。習主席は両国関係の発展と韓半島問題における双方の協力、リーダーシップ発揮の契機になると述べ、文大統領の来月の中国訪問にも合意した。

 会談に先立ち、韓国の康京和(カンギョンファ)外交部長官は国会外交統一委員会で、中国にメッセージを送っていた。サード追加配備、米ミサイル防衛(MD)、韓米日3国の軍事同盟化のいずれにも参加しない「三不」方針だ。

 政府はこれまでも北核問題が解決されれば、サードは送り返すと言っていたし、残り二つも過去政府が取ってきたことであるため、中国に大きく譲歩したというものではないが、サード報復に対する謝罪や遺憾表明がなかったことは惜しまれる。

 韓中関係が正常化に転換したのには二つの要素がある。第一は中国の国内政治日程だ。中国は第19回共産党大会で習近平2期体制を固めることに集中しており、韓国との関係改善はその後の課題と見なされていた。

 2番目は北核問題を平和的に解決できる時間が幾らも残っていないとの切迫感を中国も共有することになったことだ。トランプ大統領も習主席に時間がないとし、中国の協力を促していた。今回は時間も短く、具体的対応策を話し合うことはできなかったが、韓中双方は迅速に深い議論を行って、準備しなければならない。

 米国を試さず、非核化の道を選択すれば、北朝鮮のより良い未来を支援する準備ができているというトランプ大統領の国会演説を金正恩(キムジョンウン)が真剣に考慮するように説得することが優先課題だ。

 対北制裁が究極的に目標とする外交的解決法は韓米中3国が全員同意することである。韓中は米朝対話を支援することに最善を尽くさなければならないだろう。これら全部の努力にもかかわらず、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)をまた発射するとか、核弾頭の空中爆発実験を押し切る場合、どのように対応しなければならないのかも協議しておかなければならない。

 韓中両国は北朝鮮問題が緊急なだけに、速く信頼を回復し、戦略的パートナー関係への修復を行うべきだ。

(李淑鍾(イスクジョン)成均館大教授、11月13日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。