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北朝鮮、張成沢氏の死刑執行で「粛清続く」の見方も


 北朝鮮の最高指導者・金正恩第1書記の義理の叔父で事実上ナンバー2とされながら、先の朝鮮労働党中央委員会政治局拡大会議の場で逮捕された張成沢・党行政部長が12日、国家安全保衛部の特別軍事裁判で死刑を宣告され、その直後、執行された。朝鮮中央通信が13日報じた。

(ソウル上田勇実)

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2日、特別軍事裁判が開かれる法廷へと連行される北朝鮮の張成沢氏(右から2人目=)聯合ニュースが公開(AFP=時事)

 報道によると、判決文は張氏が「領導の継承問題(金正恩第1書記への後継問題)を妨害する容認できない大逆罪」を犯し、「軍隊を動員すれば政変を成就できるという愚かな打算」を働かせたなどと指摘。これらが金第1書記体制を覆そうという「国家転覆陰謀行為」に相当するとして、刑法第60条に従い死刑を言い渡した。

 審理では張氏の容疑は「百パーセント立証」され、張氏自身もこれを「全面的に認めた」という。

 同日付の党機関紙・労働新聞は、法廷で手錠を掛けられた張氏がうなだれるようにして立ち、横の保衛部要員に首根っこを押さえ付けられている、刑執行直前と思われる写真を掲載した。

 韓国与党セヌリ党の徐相箕・国会情報委員長はこの日の記者会見で「機関銃による処刑とみられる」と明らかにした。

 韓国情報機関・国家情報院は3日、国会に「張氏失脚が濃厚」と報告。8日には朝鮮中央テレビが「反党行為」で張氏が逮捕されたと報じていた。金第1書記を支える摂政体制の中心人物とみられていた張氏の異例の速さとも言える粛清は「金正日政権より権力基盤が弱い証拠で、内部混乱を早期に収拾させるため」(徐委員長)とみられる。

 「張氏死刑執行」は張氏の側近グループに対する追加粛清につながる可能性が高く、北朝鮮国内では当分、“恐怖政治”が続くとの見方が広がっている。

 一方、韓国政府は北朝鮮による挑発を警戒。金寛鎮国防相は「北内部の不安定な姿が外部への挑発につながるのは極めて常識的なこと」と述べ、核実験や長距離弾道ミサイル発射、局地的な武力挑発などに徹底して備える考えを示した。

恐怖政治の再来か

 柳東烈・韓国治安政策研究所上級研究官の話 「反党反革命的分派行為」で逮捕された張氏の死刑執行は、ある程度予想された手順に従ったまでのもので、そうしてこそ「自分に対する挑戦は容赦しない」という金第1書記の強烈な意思を示すことができる。ナンバー2として金第1書記を支えた張氏は、不遜で傲慢な面をのぞかせていた。それが権勢を誇った張氏が一瞬にして粛清された最大の原因とみる。

 金正日総書記も粛清を繰り返したが、失脚と再登用を繰り返すなど柔軟さも持ち合わせていた。これに比べ、金第1書記のやり方は極端で、父親の時代をしのぐ恐怖政治だと言える。だが、金第1書記の権力基盤はまだ弱く、長期的にはその恐怖政治に反発する勢力らの抵抗が体制不安をもたらす可能性もある。

 17日の金総書記二周忌を前後した各種行事にどの側近が姿を見せるかによって、権力構図を占うことができるだろう。当然出席すべきなのに姿が見えない側近は、今回の事件に関係して粛清されたとみるべきだ。