「韓日の核武装容認」、米の思惑は?


韓国紙セゲイルボ

北とテロ組織の連携を危惧

 北核が触発した東北アジアの核危機。日本はどう対応するだろうか。日本を見れば未来を読むことができないだろうか。
 米NBCが「ホワイトハウスが韓国・日本の核武装容認を検討している」と報じた。どれくらい真実に近いだろうか。核攻撃の脅威を受ける米国としては黙ってはいられない。北朝鮮だけが問題ではないからだ。核を持った北朝鮮がIS(「イスラム国」)、タリバンと手を握ればアメリカ中心主義時代は終焉(しゅうえん)を迎える。数千発の核弾頭を持っていても、何もできない“絵に描いた虎”に変わる場合があるのだ。

金正恩

9月3日午前、朝鮮労働党政治局常務委員会で大陸間弾道ミサイル(ICBM)の弾頭部に装着する「水爆」の実験をめぐり討議する金正恩朝鮮労働党委員長(中央)ら(朝鮮通信=時事)

 北の核は核既得権を持つ中露とは根本的に違う。米国としては手段と方法を選ばす根絶しなければならない。自分が絵に描いた虎だとすれば、相手も絵に描いた虎にしなければならない。韓国・日本核武装容認は「以夷制夷」(夷を以て夷を制す)で対抗する戦略だ。

 中国が米国の意を受け入れれば、日本は核武装を思いとどまるだろうか。成功しようが失敗しようが核武装をするだろう。歴史的流れがそうだからだ。北の核と日中の葛藤、危機は大きくなっている。巨万の富を抱える日本には守るものが多い。

 六ヶ所村核処理施設のプルトニウムと、衛星を打ち上げる技術力を以てすれば、核ミサイル製造は日本にとっては朝飯前だ。既にイスラエルのように核武装しているかもしれない。だから日本は中国を恐れないのではないか。

 「韓半島非核化」は昔の流行歌のようだ。北東アジアの歴史は核武装時代に入り込んだ。それなら韓半島非核化スローガンは消えるかといえば違うようだ。なぜ? 北核は根絶しなければならない腫瘍であり、列強にとって、南北韓は核既得権を共有する対象ではないからだ。

 そのような理由から「戦術核再配備」の話だけが膨らんだのではないだろうか。日本とは明らかに違う。故に韓国はさらに危険だ。非核化を天賦の使命として、それを容認する瞬間、核武装した新覇権主義と北核危機の中に“足かせの運命”をまた踏むことになりはしないか。

 歴史を正しく見なければならない。われわれの運命は崖っぷちに立っている。

(姜浩遠(カンホウォン)論説委員、9月12日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。