北の地下核実験と白頭山噴火の危険性


韓国紙セゲイルボ

 高句麗遺民の大祚榮(テジョヨン)が建てた渤海は926年に滅亡した。国土が高句麗全盛期時の2倍になるほど繁盛した大国がある日突然、跡形もなく消えたのは白頭山の大噴火が原因だったという説もある。

 白頭山と渤海の首都上京龍泉府は200㌔㍍程離れている。当時、超大型級の噴火で約100立方㌔㍍の火山灰が噴出し、以後にも6回以上の小規模噴火を繰り返した。しかし、噴火時期を特定できず、噴火の規模がいくら強力であっても、火山灰が渤海の首都まで覆うことは難しいという指摘が多い。白頭山噴火による渤海滅亡説は科学的根拠が薄弱なのだ。

 北朝鮮が白頭山から115㌔㍍しか離れていない咸鏡北道の豊渓里で第6次核実験を強行した後、白頭山に関心が集まった。核実験による人工地震が白頭山の下のマグマを刺激したのではないかということだ。

 2002年6月から5年間、火山性地震が続き、白頭山噴火の前兆現象と見られた。白頭山は活火山である。白頭山噴火の確率が2019年まで68%、2032年まで99%という警告もある。

 災難映画には法則がある。専門家が予兆を感知し警告するものの、当局は無視する。災難が襲った後になって、あたふたと対策に乗り出すが、警告を無視した代価は残酷だ。北朝鮮指導部は白頭山の近所で核実験を繰り返しているが、彼らには白頭山噴火警告は眼中にもないようだ。

(金起弘(キムキホン)論説委員、9月9日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。