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対北制裁決議で国際社会は足並みそろえよ


 国連安全保障理事会は、北朝鮮からの石炭や海産物の輸出を全面禁止し、外貨収入源を大幅に規制する新たな制裁決議を全会一致で採択した。先月の北朝鮮の2度にわたる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射を受けての対応だ。

 ICBM発射への対応

 北朝鮮に対する安保理の制裁決議の採択は、北朝鮮が2006年10月に初めて核実験を強行して以来、8回目となる。対イラクの7回を抜いて過去最多となった。

 新決議は核・ミサイルの開発資金にメスを入れる内容だ。北朝鮮の主要輸出品である①石炭②鉄・鉄鉱石③鉛・鉛鉱石④海産物――の輸出を例外なく禁止。国連加盟国がこの4品目の輸入を全面停止すれば、北朝鮮の年間輸出総額30億㌦(約3300億円)の3分の1を減らす効果があるとされる。

 北朝鮮が7月4日に1回目のICBMを発射したことを受け、米国主導の下、主に中国との1カ月余りの協議でようやく一致した対応を打ち出せた。これまで制裁強化に慎重な姿勢を示してきた中国とロシアが、最終的に賛成に回った。

 新決議は海外で働く北朝鮮労働者について、加盟国が現在より受け入れ人数を増やすことの禁止なども盛り込み、人、モノ、カネの流れを包括的に制限する内容になった。安保理が北朝鮮ミサイルの脅威の重大さを認め、許容しない姿勢を強調したことは評価できる。

 河野太郎外相は制裁決議採択を受けて「決議はしたけれども尻抜けになったということがないように、きちんと実行していくことを確認したい」と述べた。新決議を履行すれば、北朝鮮経済に大きな打撃を与えられる。国際社会の協力の強化こそ急務である。

 北朝鮮は制裁決議採択に対して「全面排撃する」と強く反発した。北朝鮮は米国のみならず各国の動向を注意深く見ている。今度こそ、国際社会が足並みをそろえて制裁措置を取っていることを見せつけるべきだ。

 とりわけ、北朝鮮への影響力の大きい中国、ロシアは厳格に決議を履行しなければならない。北朝鮮との貿易は中国が9割以上を占めており、制裁が実効を上げるかどうかは中国にかかっていると言えよう。

 その意味で懸念されるのは、中露の国連大使が北朝鮮の核・ミサイル開発と米韓合同軍事演習の同時停止案を改めて主張したことだ。国際法違反の核・ミサイル開発と米韓演習を同列に扱うような言い方をするのは、北朝鮮を擁護していると受け取られても仕方がない。

 中露両大使は在韓米軍への地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備も批判した。THAADがなければ韓国の抑止力を高めることができず、北朝鮮を利することになろう。

 挑発続けば原油制限を

 今回の制裁では、日米が要求してきた北朝鮮への原油供給の制限は除外された。

 中国が反発したためだが、北朝鮮が今後も挑発行為を続けた場合、日米は中国に原油供給制限を受け入れるよう促す必要がある。