内憂外患危機の韓国安保戦線に異常なし?


韓国紙セゲイルボ

 韓国が直面している国政混乱と米国の政権交代期の状況を北朝鮮が軍事的挑発のチャンスと誤認する可能性がかつてなく高い。

 歴史的に北朝鮮は米国の政権交代の時ごとに予想できない核実験や長距離ミサイル発射で新しい大統領を試してきた。トランプ当選人は選挙期間中、米国が韓半島から手を引くような発言をしただけに、それを誤認して、思いがけないことを起こす可能性がある。

 また、崔順実(チェスンシル)事態による韓国の政治混乱と国政空白状況を北朝鮮が軍事的挑発の好機として活用しようとする誘惑も高い。北の対南宣伝媒体「ウリ民族同士」が連日「崔順実ゲート」を取り上げて韓国社会を攪乱(かくらん)しており、北軍部が「いまこそ韓半島情勢を決定的に自分たちに有利な局面へ推し進める時だ」と誤った判断をする可能性もかつてなく高まっている。

 国連安保理が先月30日、新たな対北朝鮮制裁決議を採択し、北の国連会員資格を取り上げる条項まで明示した。こうした状況は北朝鮮が局地的軍事挑発を通じて国際的な対北圧迫局面を転換させようと試みる可能性が排除できない。

 韓国は外では国の安保が危険な状態にあり、中では政治的内紛と混線が続く内憂外患の危機状態にある。もし政府と国民と軍の信頼関係が崩れたり、共通認識と努力が緩むならば、国家安保は一気に不安化する。

 われわれが判断を誤れば、その結果は元に戻せない破局につながるという点を忘れず、社会構成員皆が目覚めていなければならない。

(ユ・ヨンオク国家報勲安保研究院長、12月5日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。